パナソニックは全社員の給与体系から、年齢に応じて支給額が上昇する年功要素を来年4月に廃止する方針を固め、労働組合との協議に入った。部課長制度も一部復活させ、権限と責任を明確にする。社員のやる気を引き出しつつ人件費を抑えるのが狙い。
10月から年俸制を採用する管理職を対象に担当する役割の大きさに応じて賃金を決める役割等級制度を導入するが、これを全社員にも広げる。管理職以外の社員の給与は現在、一部成果給も取り入れているが、大部分が年齢に応じて上昇している。役割等級制度を導入することで、社員の役割や責任に応じた給与体系への転換を目指す。
一方で、若手社員を責任のある役割に積極的に登用することでやる気を引き出す。新しい賃金制度を円滑に運用できるよう10月から一部の部署で「グループマネージャー」などの呼称を廃止し、部長や課長などを13年ぶりに復活させる。
電機大手ではソニーも年功要素を廃止した賃金制度の導入を検討している。