ツイッターを介した児童買春や児童ポルノなど子供の性被害が増加する中、被害につながる恐れのある不審な書き込みに対し、警察が直接返信して警告する取り組みが全国に広がっている。愛知県警が昨年10月に全国で初めて導入して以降、同様の投稿は全国で約2万件減少したとの調査結果もあり、被害防止策として期待が高まる。
警察庁によると、ツイッターなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でのやりとりを通して犯罪に巻き込まれた18歳未満の男女は2018年、1811人に上り、5年前の1・4倍に増加。約9割以上が児童買春や児童ポルノ、強制わいせつなどの性犯罪で、その約4割はツイッターに起因したものだった。
「JK(女子高生)パパ活始めました。手つなぎ、ハグ各3000円」「JC(女子中学生)のエッチ画像欲しい人連絡ください」――。ツイッター上にはこうした金銭を伴う交際の募集や、裸の画像提供を呼びかける投稿があふれる。大人が子供に買春や性的画像を求める書き込みも多い。こうした投稿に対し、これまでは警察官が身分を明かさずに投稿者とやりとりし、実際に会って未成年者を指導する「サイバー補導」が主流だった。しかし、やりとりに時間がかかる上、会う前に返信が途絶えるケースも多く、対応できる件数が限られていた。
愛知県警少年課は昨年10月、投稿に直接返信して注意を呼びかける取り組みを開始。公式アカウントから「見ず知らずの相手と会うことは、誘拐や殺人などの重大な事件に巻き込まれるおそれのある大変危険な行為です」「子供への性犯罪は極めて悪質な行為です」とメッセージを送り、注意や警告を促す。
18年のサイバー補導が計309件だったのに対し、ツイッターへの直接返信は今年9月末までの1年間で1448件実施。警察が目を光らせていることを知った投稿者が、慌てて投稿やアカウントを削除する効果も生まれている。
別のアカウントから同様の投稿を繰り返すケースもあるが、県警の担当者は「警察から直接メッセージが届くことで、重大性や危険性を理解するきっかけになるのでは」と期待する。警察庁もこの取り組みを推奨し、既に東京や神奈川、北海道、兵庫など少なくとも9都道県警が同様の対策を始めている。
文教大情報学部の池辺正典准教授が取り組みの波及効果を調査した結果、子供の性被害を誘引する投稿は昨年10月に約6万5000件だったのに対し、今年9月は約4万6000件に減少した。池辺准教授は「取り組みが広がったことで、完全に投稿をやめた人も多いと思う」と話す。警察庁は「ツイッターへの直接返信と従来