パブ起点、四、五次抑止へ市民の行動が鍵 仙台で初の三次感染

◎一次感染

 仙台市青葉区の英国風パブ「HUB仙台一番町四丁目店」を起点とした新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。市内ではパブ利用客と後日飲食した人への二次感染にとどまらず、7日には二次感染者の濃厚接触者の陽性が判明し、三次感染が初めて確認された。専門家は「四、五次感染をいかに抑えるか、市民の行動が重要」と指摘する。

 パブを起点とする市内の感染拡大は、3日に陽性と判明した外国籍の20代自営業男性が鍵を握る。
 市によると、男性は3月20日午後9時ごろパブに来店。私立学校に勤める外国籍の30代女性教諭、30代の男性会社員と飲食を共にし、その間に由利本荘市の外国語指導助手(ALT)2人と5分程度、立ち話をした。21日も午後9時半ごろ店を訪れ、女性教諭やALTと一緒に飲食した。
 ALTはともに24日に発症し、27日に陽性と確認された。女性教諭と男性会社員も29日に感染が判明。自営業男性は25日に喉に痛みを感じ、4月3日に陽性と分かった。市はクラスター(感染者集団)の発生と断定。他にパブ利用客5人の感染確認も発表した。

◎二次感染

 自営業男性は発症した25日、宮城教育大の30代の男子留学生ら3人と4時間ほど飲食した。27日には東北大の外国籍の20代男子学生ら7人を自宅に招き、3時間ほど飲食を共にした。
 25日に接触した男子留学生は30日に嗅覚や味覚の異常を感じ、4月7日に陽性と判明した。一緒にいた残る2人のうち1人は陰性と分かり、1人は母国に戻った。一方、27日に接触した東北大の男子学生は31日には倦怠(けんたい)感があり、4月5日に陽性と確認された。残る6人のうち1人は陰性と判明し、5人は経過観察している。

◎三次感染

 市は7日、20代外国籍の女性が感染したと発表した。東北大に通う学生で、3日に発熱などの症状が現れた。宮教大の男子留学生の濃厚接触者だったと分かり、パブが起点の三次感染が初めて確認された。
 国立病院機構仙台医療センター(宮城野区)の西村秀一ウイルスセンター長は「パブ利用客からの三次感染が市中に広がっている可能性は否定できない。さらなる感染を食い止められるか、市民の行動が重要な段階にある」と指摘。緊急事態宣言で市民の意識は高まっており「感染拡大のスピードが下がるかどうか、対策の成果の有無が今後1、2週間で見えてくる」と語った。

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