パラサイトシングルの終焉?「社会に出たからこそ実家に住む」 新しい“実家暮らし”の形とは

「親のスネをかじっている」「生活能力がない」など、自立できていない大人だと思われがちな、実家暮らしの女性たち。一体どんな理由があって、大人になっても実家に住み続けるのだろうか。

 SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜21時から放送中)では、「子供部屋おばさん」をテーマに実家に住み続ける女性たちが集合。その実態に迫った。

 漫画家の大日野カルコさんは、離婚を機に実家に戻った。実家に出戻ってから4年ほど経った今、婚活をしているという。

▲漫画家・大日野カルコさん

 「(一度目の)結婚がしんどかった。結婚願望というよりも、今度は絵かきをしている私を受け入れてくれる幸せなパートナーと暮らしたい気持ちが強い」と語る大日野さん。大日野さんのように、恋愛に疲れて実家で暮らし始める人も少なくない。働くアラサー女性のための情報サイト『ウートピ』編集長の鈴木円香さんは実家暮らしのメリットをこう話す。

「私の友達には一人暮らしをして恋愛をして、傷付いて、別れた後が寂しくて、避難所として実家に住んでみたら居心地が良くて、そのまま住み続ける人もいる。仕事が忙しい中、実家に住めば、両親があたたかく迎え入れてくれますし、炊事や洗濯などの家事もしてもらえる」(『ウートピ』編集長の鈴木円香さん)

親も子もお金を持たなくなる時代、パラサイトシングルの終焉?

 実家暮らしを選択することで何か弊害はあるのだろうか。コラムニスト・ひかりさんはこう話す。

▲コラムリスト・ひかりさん

「親が亡くなったときに一人で生きていける準備はしておいたほうがいい。5年後、10年後を考えると、子供よりも先に親が亡くなる。親がいなくなった後に、ひとりで生きていけなくなるのであれば、早いうちから自立の準備が必要。今の親世代の人たちは、バブルも経験していて、貯金が多い家庭もある。低いお給料で生活をしていると、親に頼りたい気持ちはわからなくもないけれど、親がいなくなったときの準備はしておいたほうがいい」(コラムニスト・ひかりさん)

 実家暮らしをしている状況について、周りはどのような反応を示すのだろうか。ダンサーで講師も務めている実家暮らしのAya Kさんは、友達から「お金が貯まるね」「いいな」などと羨ましがられるという。

 一方で、会社員で実家暮らしのたまきさんは「結婚をして自分の家庭を持っている友達からは『よく暮らしていられるね』と言われる。(実家を出て)新しい生活環境をもっている人は、親がいる状況には戻れない」と説明。

▲左から大日野カルコさん、たまきさん、Aya Kさん

 番組に登場した実家暮らしの女性ゲスト3人は、それぞれ社会人経験があり、自分の仕事も持っている女性たちだ。ゲストの話を聞いて、前述の鈴木さんは「パラサイトシングルとは違う」と分析する。

「今はパラサイトシングル(学校卒業後の親に基本的な生活を依存しながらリッチに暮らす未婚者)とは違う傾向がある。女性の社会進出が進み、社会の荒波にもまれた結果『家族って大事だよね』って気づく人も多い。まったく社会に出ない状況とは違っていて、社会に出たからこそ、実家に住む選択をした人もいる。『実家に暮らして甘えている』ではなくなっている気がしていて、これからは親の世代も子供の世代も、お金を持たなくなる時代。下の世代になると、貯金もできないし、年金ももらえない世代がくる。親も子供もお金をもっていないから、一緒に住むほうが合理的になる可能性もある」(『ウートピ』編集長の鈴木円香さん)

▲『ウートピ』編集長の鈴木円香さん

 実家に暮らしていると親の介護にはどのように携わるのだろうか。先月父親が亡くなったばかりの大日野さんは「親って死ぬんやって思って……」と正直な気持ちを話す。今後、母親の面倒をどう見ていくかは、兄弟間の課題となっているという。

 一方で、昨年母親の大病を経験したたまきさんは「もともとひとりっこで父もいない。実家暮らしでなくても、介護は常に考えないといけない問題」と指摘。同じように、ひとりっこで育ったAya Kさんも「父が病気をした。どうしようと考えることはあった。誰かに頼むことはできないので自分がやらないといけない」と思いを語った。(AbemaTV/『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』より)

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