昨年パリで開催され、大反響を呼んだタレントで映画監督、ビートたけし(64)の絵画、オブジェなどを集めた展覧会「BEAT TAKESHI KITANO 絵描き小僧展」が、来年4月に日本凱旋上陸することが12日、分かった。“アーティスト・たけし”にとって日本初の個展で、新たに制作した作品を含む60点以上を展示。「ぜひ多くの方に楽しんでもらいたい」と呼びかけている。
昨年3~9月に芸術の都パリのカルティエ現代美術財団で開催され、目の肥えたフランス人を夢中にさせた展覧会が、日本にやってくる。
世界的映画監督、お笑いタレントなどさまざまな顔を持つたけしが、初めて画家としての一面を世界に披露した同個展。独特なタッチの絵画、生き物に見える花のオブジェや、脳みそを取り出すたけしを別のたけしが見つめるオブジェなど、ユニークな作品からシュールな作品まで、彼の感性が体感できる内容は大きな話題を呼んだ。
半年間で13万人を動員し、同財団のエルベ・シャンデス館長は「パリの人々は、北野氏の作品が持つ発想の自由さに強くひかれた」と振り返る。
来年4月13日から9月2日までの約5カ月間、東京・西新宿の東京オペラシティアートギャラリーで開催される凱旋展覧会は、たけしが最近ハマっている版画などの新作を含め、60点以上を展示する予定。
ペンキ職人の父を持つたけしは、1994年のバイク事故時にリハビリを兼ねて描き始めて絵画に目覚め、「HANA-BI」「菊次郎の夏」「アキレスと亀」など監督作品の劇中画で腕前を披露してきたが、日本で個展を開くのは初めてだ。
自らの感性を多種多様な作品で表現したたけしは、「アートって特別なものじゃなく、型にはまらず、気取らず、みんながスッと入っていきやすい、気軽なものであるべきだと思う」とコメント。型にはまらないたけしの展覧会は、日本でも注目を集めそうだ。