日体大は12日、パワハラ報道のあった陸上競技部駅伝ブロックの渡辺正昭駅伝監督(55)を解任することを発表した。
広報課によると、学友会などによる部員5人、元部員1人への聞き取り調査の結果、「足を蹴る」「胸ぐらをつかむ」といった暴力行為が複数報告された。言葉の暴力や人格を否定するような発言に相当する言動も報告され、渡辺監督も認めたが、パワハラに該当するとの認識を持っていなかったという。
11日に渡辺監督から辞任願が提出されたが、陸上競技部は「学生指導の適性に欠ける」などと判断、部長名で解任することを決定した。学生3大駅伝の初戦・出雲駅伝(10月8日)まで1か月を切っているが、後任は決まっていないという。
渡辺監督は1993年に豊川工高に赴任したが13年に体罰騒動で退職。愛知県教育委員会の調査によると、豊川工高陸上部の渡辺監督(当時)による体罰は08~12年度に33件あり、停職4か月の懲戒処分とした。一方で強豪校に育て上げた実績を評価した同校PTA関係者から指導継続を求める約3万8000人分の署名が集められた。日体荏原高の保健体育教諭を経て、15年から母校・日体大の駅伝部を指導。箱根駅伝では就任後3年連続でシード権を獲得していた。