宮城県産米粉のパンケーキで仙台牛など県産食材を挟んだバーガーの持ち帰り専門店「つやぱんバーガー E」が4月、仙台市青葉区立町にオープンした。運営する「フラクタル・クリエイト」(青葉区)の小埜寺(おのでら)喬社長(38)は、フレンチレストランでの勤務経験を生かし「宮城の生産者の力になりたい」と意気込んでいる。
パンケーキは県産ひとめぼれの米粉と、白石市の養鶏業「竹鶏ファーム」が生産する竹炭入りの餌で育てた「竹鶏たまご」を材料に、優しい甘みと艶やかな焼き色が特徴だ。ベーキングパウダーを使わず、イースト菌の自然発酵によって、パンに近いもちもちした食感を実現した。
刻みタマネギのソースで香ばしく焼き上げた仙台牛ステーキバーガー(980円)、脂の甘みが際立つ宮城県蔵王町の銘柄豚「JAPAN X(ジャパン・エックス)」をのせたポークステーキバーガー(680円)など総菜系は10種類。同亘理町産の大粒イチゴを、たっぷりのホイップクリームで包んだバーガー(780円)などデザート系は12種類をそろえる。
ステーキの焼き加減は5段階から選べるほか、バルサミコソースなど自家製ソースをトッピングとして用意した。
祖母がコメ生産者の小埜寺社長は、消費減少で大量のコメが廃棄されている現状を目にし、心を痛めてきた。新型コロナウイルス感染症の影響で肉や魚、野菜の出荷が激減した生産者の役に立ちたいと、宮城県産食材を使ったパンケーキの販売を思い立った。
ウェスティンホテル仙台(青葉区)などのレストランで修業を重ね、現在は市内でフレンチ居酒屋「ranpu(ランプ)」を2店経営する。3月には、店内飲食可能で1号店となる「つやぱんバーガー D」を同区中央にオープンさせた。パンケーキバーガーは東北初という。
小埜寺社長は「5カ月間試作を重ね、理想的な食感にたどり着いた。閉(へい)塞(そく)的な世の中に食べることの楽しみを提供したい」と話す。
午前11時半~午後11時半(時短営業期間中は午後8時まで)。無休。連絡先は同社022(395)7435。