政府は9日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた水際対策として、中韓両国に発給済みの査証(ビザ)の効力を停止した。外務省によると、無効となるビザは中国が約280万件、韓国は約1万7000件に上る。新規の発給も限定するため、両国からの入国者はほとんどいなくなる見通しだ。
新型コロナウイルスの影響で、中韓からの入国者はビザの効力停止前から激減している。出入国在留管理庁によると、3日の入国者数は中国からが約800人、韓国からが約1700人。前年同日は両国から約2万人ずつ入国していた。
一定期間内に何回でも出入国できる「数次ビザ」を持つ駐在員らも、日本を出国すると、事前に再入国許可の手続きなどをしない限り、入国できない。8日までに入国済みの場合は引き続き滞在できる。
一方、外務省は、日本からの入国後に行動制限措置を取っている国・地域が、9日午前7時時点で63に上ると公表した。入国・入域制限を行っている国・地域は27となり、6日時点から3か国増えた。韓国が9日からビザ免除措置と発給済みのビザの効力を停止したほか、ブータンとレバノンが制限を始めた。