ビッグモーターに新たに「顧客情報流出」疑惑が浮上! 被害者が語る手口

情報漏洩もあったのか。中古車販売大手「ビッグモーター」の自動車保険の保険金不正請求問題が拡大している。26日には国交省が同社をヒアリングし、今後、道路運送車両法違反の疑いがあれば立ち入り検査もあり得る。同社を巡ってはLINE削除による証拠隠滅疑惑に不正調査の書き換え問題も浮上。さらに、客の情報が外部に漏れていたとの情報をキャッチした。

 同社は損害保険各社に事故車両の修理代を水増しして報告していたことが問題視されている。車の損傷箇所を増やすために靴下にゴルフボールを入れて振り回してぶつけたり、工具を使ってひっかいたりして事故車両の修理代を水増ししていたという。

 25日の記者会見で創業者の兼重宏行氏が社長を辞任。26日からは専務だった和泉伸二氏が社長となり、さっそく国交省のヒアリングに臨んだ。和泉氏は内容を明かすことは控えたものの、自分たちの主張は「理解してもらえた」と話した。

 しかし、新体制初日から逆風も吹いている。和泉氏は25日に全社員に向けてLINEアカウント削除の通知を出していた。LINEには不正の証拠が残っているかもしれず、証拠隠滅や流出対策を疑う声も出ている。和泉氏は「まったく違います。隠す意図はありません」と否定した。

 また、保険金不正請求問題について、昨年に内部告発があった際に行った社内調査で、従業員による「工場長から指示があった」との回答を「指示はなかった」に書き換えていた疑惑も浮上。和泉氏は「驚いている。そこで対応していれば、ここまでの重大性にはなっていなかったかもしれない」と述べた。

 これまでにも除草剤で街路樹を枯らした疑惑やパワハラ訴訟などが明らかになっている中、新たな疑惑をキャッチ! 同社が客の個人情報を漏洩していたというのだ。

 Aさんは今春、車を売ろうと同社のある店舗に買取査定を依頼した。「ディーラーの見積もりが230万円のところを、ビッグモーターからは160万円の見積もりを出されました。納得できなかったので、断ったのです。しかし、その日の夕方に業者を名乗る人物から電話があり、査定するというのです」(Aさん)

 まったく心当たりのない業者だけにビックリしたAさんは同社と業者で何かやり取りがあったのかと、同社に確認。同社も知らないとのことだったが、「業者に改めて確認すると、『ビッグモーター店舗の近くであなたの個人情報が書いてある紙が落ちていて、それを見て連絡した』と話すんです。正直、支離滅裂な内容でした」(同)

 同社が個人情報を道に落としたのか、それとも別の事情があるのか。Aさんは同社に経緯を確認してほしいと依頼した。結果は意外なものだった。「ビッグモーターによると、業者は元社員で、ある店舗の店長だった人物だといいます。その人物がビッグモーターのデータに勝手にアクセスして私の情報を引き出していたというのです」(同)

 対応した同社関係者はAさんに、査定をした場合は車と持ち主の情報を記録すると明かし、そのデータにアクセスするにはIDとパスワードが必要だが、元社員の業者は知り合いの同社営業からそれらを聞き出していた可能性があると説明したという。

 さらに、同社の「上の方」にもこの件が伝わっており、業者の「逮捕」もあり得る事態だとAさんに話し、進展があった場合は報告を約束。もっともAさんによると「その後、連絡はありません」とのことだ。

 外部から不正アクセスがあったのなら同社も被害者として警察に相談などをしていそうだが…。同社に詳しい事情などを問い合わせたが回答はない。Aさんは今も真相を知りたがっている。

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