個室オフィスや仕事場を共有するコワーキングスペースなどが同居するビジネス拠点「enspace(エンスペース)」が6月、仙台市青葉区国分町1丁目に誕生する。ビル1棟を活用した施設は珍しく、規模は国内最大級。起業家や大手企業の社員ら多様な人材が交流し、新たなビジネスが生まれる場を目指す。
開設するのはITサービス業のエンライズコーポレーション(東京)。7階の複合ビルを購入し、1月に改修工事を始めた。レンタルオフィスは約100室で、1~4人用に仕切った。
各階には席を固定しないフリーデスクやソファを並べたラウンジなどのコワーキングスペースを設置。最大50人収容の会議室も12室あるほかキッチンやシアタールーム、屋上庭園も用意し、利用者の交流を促す。
一般的な賃貸物件よりもコストが抑えられ、ベンチャー企業が事務所を構えやすい。仙台以外の企業が、販路拡大や採用活動のサテライト拠点として活用することも想定する。エンライズの仙台進出は、人材や主要都市からのアクセスの良さが決め手となった。
同社は世界的なIT企業が集まる米シリコンバレーにも拠点を持つ。吾郷(あごう)克洋最高経営責任者(CEO)は「米のシェアオフィスの環境に刺激を受けた。東日本大震災後、仙台には志の高い人が集まっている印象がある。ビジネスが発展する場所にし、地域活性化に貢献したい」と意気込む。
既に会員を募っており、施設の内覧もできる。連絡先はエンスペース022(302)6422。