新井浩文に続き、またしても“邦画界の名バイプレイヤー”に不祥事発覚だ。テクノユニット・電気グルーヴのメンバーで、俳優としても知られるピエール瀧が13日未明、コカインを使用した疑いで厚生労働省麻薬取締部に逮捕されたことが報じられた。瀧は「間違いありません」と容疑を認めているという。邦画界に、またしても激震が走ることになった。
ピエール瀧こと瀧正則容疑者は、1967年生まれの51歳。89年に電気グルーヴに参加し、国内のテクノポップカルチャーに多大な影響を及ぼした人物で、近年では俳優として日本映画界でも存在感を示していた。
そのキャリアはミュージシャンだけにとどまらず、俳優業に進出し、2013年公開の映画『凶悪』に出演すると、第38回報知映画賞助演男優賞、第37回日本アカデミー賞優秀助演男優賞、第68回毎日映画コンクール男優助演賞、第56回ブルーリボン賞助演男優賞といった賞レースを総ナメ。映画、ドラマを問わず、なくてはならない俳優としてトップディレクター・映画監督からのオファーが絶えない名脇役だった。
「今回の逮捕で、仕事の激減は間違いないでしょう。それどころか、すでに撮影を終えている作品が公開中止や放送延期になる可能性も非常に高い。13日以降、各関係者はパニック状態に陥るでしょう」(映画ライター)
直近の瀧のスケジュールといえば、『凶悪』の監督を務め、瀧を重用してきた白石和彌監督作品で、斎藤工、ベッキー、岡崎体育ら話題のキャストがそろった4月5日公開予定の映画『麻雀放浪記2020』の公開を控えるほか、5月公開予定の松坂桃李主演作『居眠り磐音』、今秋公開予定のタナダユキ監督作品で高橋一生と蒼井優が出演する『ロマンスドール』など、続々公開が控えている。そのほかにも、すでに撮影を終えている作品も少なくないだけに、瀧に対する違約金の支払い請求もケタ違いになりそうだ。
「今後の捜査の進展や世論の反応を問わず、邦画界は出演者の不祥事が明らかになれば“とりあえず公開中止か延期”という判断をして、不祥事を起こした出演者に損害賠償請求をして赤字を埋めるというスキームが確立されています。この被害額を実際に算出すれば、数億円にも上るかもしれません」(同)
テクノのカリスマとしてミュージックシーンからのリスペクトを集め、バイプレイヤーとして映像業界からも重宝されてきたピエール瀧の逮捕が及ぼす影響は、各業界を横断して広がっていくに違いない。