【AFP=時事】米製薬大手ファイザー(Pfizer)は16日、新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬「パクスロビド(Paxlovid)」の緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請した。
10月中旬には米製薬大手メルク(Merck)も、経口コロナ治療薬「モルヌピラビル(Molnupiravir)」の使用許可をFDAに申請していた。ワクチンに加えた飲み薬の普及は、新型ウイルスの世界的流行に終止符を打つ上で非常に有効な手段になるとみられている。 © AFP PHOTO / Pfizer ドイツ・フライブルクの施設で製造されるファイザーの新型コロナウイルス感染症経口治療薬(2021年11月16日提供)。
ファイザーは、中期~後期臨床試験(治験)の暫定結果に基づき、緊急使用許可を申請した。治験は、重症化リスクが高い成人の非入院患者を対象に実施された。新型ウイルス感染症の発症後3日以内にパクスロビドを投与したグループでは入院と死亡のリスクが89%減少し、死者は出なかった。発症後5日以内の投与でも同様の結果だった。副作用は軽度で、パクスロビド投与のグループと偽薬投与のグループともに、約5人に1人の割合で出た。 © AFP PHOTO / Pfizer ドイツ・フライブルクの施設で製造されるファイザーの新型コロナウイルス感染症経口治療薬(2021年11月16日提供)。
ファイザーは同日、パクスロビドの世界供給に向けた契約を国連(UN)が支援する国際機関「医薬品特許プール(MPP)」と結んだと発表。製造サブライセンスを通じ、世界の人口の約53%を占める低中所得の95か国に供給される見通しとなった。
【翻訳編集】AFPBB News © Don EMMERT / AFP 米ニューヨークにある医薬品大手ファイザー本社のロゴ(2016年4月26日撮影、資料写真)。