フェアプレー個人賞、梁勇基が受賞 Jリーグ・アウオーズ

Jリーグは5日、横浜アリーナで年間表彰式「Jリーグ・アウオーズ」を開き、最優秀選手賞はJ1柏の初優勝に大きく貢献したブラジル人のMFレアンドロ(28)が初受賞した。史上初の昇格1年目での制覇を果たした柏からはベストヤングプレーヤー賞にもDF酒井宏樹(21)が輝いた。
 仙台からはフェアプレー個人賞に梁勇基(29)が選ばれた。林卓人(29)、角田誠(28)、鎌田次郎(26)は優秀選手賞に選出された。山形はフェアプレー賞(J1)を3年連続で受賞した。
 得点王は19ゴールを挙げた名古屋のFWケネディ(29)が、史上2人目の2年連続受賞。柏から酒井ら4人が入ったベストイレブンにはG大阪のMF遠藤保仁(31)が9年連続、名古屋のDF田中マルクス闘莉王(30)が8年連続で選ばれ、C大阪のMF清武弘嗣(22)や甲府のFWハーフナー・マイク(24)が初めて選出された。
 最優秀監督賞は柏のネルシーニョ監督(61)が初受賞。功労選手賞にはJ1横浜Mで16シーズンにわたってプレーし、8月に34歳で急逝した松田直樹さんらが選ばれた。
◎梁勇基、充実の表情/「次は優勝して壇上に」
 仙台の大黒柱MF梁勇基がフェアプレー個人賞に輝いた。リーグ戦全34試合中22試合にフル出場し、2758分間のプレーで一度も警告を受けなかった。
 梁勇基は壇上で記念の盾を受け取り「東日本大震災もあり、仙台にとって大きな1年だった。これからもフェアプレーの精神を持ち、Jリーグのピッチで頑張りたい」と充実した表情であいさつした。
 警告を受けることなくシーズンを終えたことには「意識して戦ってはいなかったので、びっくりしている」。震災や北朝鮮代表の遠征とさまざまな出来事があった今季を個人賞獲得で締めくくった。「記憶に残るシーズン。次は(優勝して)チームとして壇上に立てるように頑張りたい」とこの受賞を気持ちを新たにするきっかけとしていた。
◎優秀選手賞に仙台から3人/林、角田、鎌田喜び実感
 リーグ最少失点(25点)と仙台の躍進を支えたGK林、DFの角田と鎌田の守備陣3人が、それぞれ初の優秀選手賞に輝いた。チームとしても初の受賞。ベストイレブン入りは逃したが、3人の表情は充実感に満ちていた。
 全34試合にフル出場し、ゴールマウスを守った林は最少失点を「チーム全体の評価。みんなで取ったタイトルの一つとしてうれしく思う」と謙虚に喜びをかみしめた。
 角田は「仙台から(誰かがベストイレブンに)選ばれて東北の希望になりたかったが、それは来年に取っておきたい」と今季以上の活躍を誓った。
 震災で被害を受けたチームとして「自分に何ができるのか、自問自答しながら駆け抜けた1年」と鎌田は振り返る。
 3人はホームだけでなく、アウェーでも相手チームの選手、サポーターから声援を受けたことに感謝する。角田は「つらい状況でサッカーができる幸せを感じた。復興はまだまだ。サッカーを通じて勇気を与え続けたい」と力を込めた。
<レアンドロ「スタッフに感謝したい」>
 MFながら15点を挙げ、柏の初優勝に大きく貢献したレアンドロが最優秀選手に輝いた。得点以外でも決定的なパスや力強いドリブルで攻撃を引っ張った背番号10は「大事なところで得点できて、タイトルにつながったのがうれしい」と喜んだ。
 昨季はJ2優勝の原動力となり、今季もJ1で大暴れした。試合中と違って、ピッチ外では冷静な表情を崩さないエースは「自分のことを信じてくれたチームのスタッフに感謝したい」と謙虚に話した。
<手倉森氏、来季は最優秀監督賞狙う>
 「オリベイラ(鹿島)、ピクシー(ストイコビッチ名古屋監督の愛称)、ネルシーニョ(柏)と外国人監督が続いている。(次は)いよいよ日本人監督が受賞する時期」。来季も仙台を率いる手倉森監督が、優勝チームの指揮官に贈られる最優秀監督賞に狙いを定めた。
 日本人の受賞は、2005年シーズンの西野朗監督(G大阪)が最後。手倉森監督は「今までの戦い方をベースに、さらにレベルアップさせていきたい」と語っていた。
<今野、J2のMEPを受賞>
 新設された「J2 Most Exciting Player」をFC東京のDF今野(宮城・東北高出)が受賞した。
 全J2チームからあらかじめ1人ずつ選ばれた20人の中から来場者の投票によって選出された。投票総数3141票中721票を獲得した今野は、今季33試合に出場し1得点。守備の要として、J2優勝に貢献した。「いい選手がたくさんいる中で選ばれたことは光栄だ」と感想を述べた。
 東日本大震災後、被災地に救援物資を運ぶなどの支援活動も行った。「宮城、東北のためにプレーする」との思いを胸に、結果を残した。来季に向け、「けがをせず、一生懸命頑張る」と誓った。

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