フェースシールド、東北大の知恵結集 宮城の医療機関に700個寄贈

東北大の工学、医学、歯学の研究者が連携し、新型コロナウイルス対策として医療用フェースシールドを製作した。透明度の高い特殊プラスチックを一部に使い、飛沫(ひまつ)を効果的に防ぐ立体構造タイプも作った。700個を医療機関に寄贈し、現場の声を聞きながらさらに改良する予定。

 重さ約30グラムの組み立て型で、長時間装着しても疲れないよう頭部と額にゴムバンドを当てる設計とした。使い捨て製品のため、製造コストは1個当たり約200円に抑えた。
 27日には大学院工学研究科の安藤晃副研究科長らが仙台市青葉区の宮城県歯科医師会会館を訪れ、細谷仁憲・県歯科医師会長に100個を寄贈した。細谷会長は「歯科治療の現場で使ってもらい、改良にも協力したい」と感謝した。
 医療用フェースシールドは入手が難しい状況が続いている。工学研究科の中瀬博之特任教授らが現場のニーズに応えようと、東北大病院や大学院歯学研究科の研究者と連携した。
 中瀬特任教授は「改良を重ねて設計図をネット上で公開し、民間企業の製品開発や量産化にも役立ててもらいたい」と話した。

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