フジ「ほこ×たて」に「重大な放送倫理違反」 BPO意見

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は1日、不適切演出が発覚し、昨年10月で放送が打ち切られたフジテレビ系バラエティー番組「ほこ×たて」について、「制作過程に重大な放送倫理違反があった」とする意見書を発表した。
 審議対象となったのは、昨年10月20日に放送されたスナイパー(狙撃手)チームとラジコン軍団の対決。制作会社のディレクターが映像を編集し、実際にはなかった対決を行ったように見せかけた。出演者が放送後、インターネット上で内容を問題視していた。
 川端和治委員長は会見で「真剣勝負を売りにしている番組で存在しなかった対決を作りだし、出演者や視聴者との約束を破った」と指摘。意見書では、制作会社が対決の収録をほぼ一手に担っていた体制も問題視し、「局の制作会社への丸投げや、局内チェックにも深刻な問題があった」と結論付けた。
 このほか、サルの首とラジコンカーを糸でつないでいた対決(平成24年10月放送)など2企画も審議されたが、委員会は「放送時点では、出演者も積極的ではないにせよ演出に同意していた」として、昨年10月の放送に「関連性がある」と指摘するにとどめた。
 フジテレビは「決定を重く受け止め、今後の番組制作に生かしていく」とコメントした。

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