フジはジャニーズと「これまで通り」と宣言 テレビ局がメリー氏の“圧力”を一切報じないワケ

ジャニー喜多川氏の性加害について「外部専門家による再発防止特別チーム」が調査報告書を8月29日に公表して以降、多くのテレビ番組がこの問題を取り上げてきた。その中にあった『マスメディアの沈黙』について、キャスターたちは反省を述べていた。だが、大きな原因の1つとされた「メリー喜多川氏による放置と隠蔽」は番組中に触れはするものの、具体的な内容までは踏み込んでいない。 「親の力を借りず」と言った河野景子の次女・白河れいは大ウソ…物的証拠を入手! 「事務所の副社長であるメリー氏はテレビ局などとの交渉で圧力をかけてきた。それによって、大手メディアはジャニーズ事務所にとって好ましくない報道をしなくなった。調査報告書にもハッキリと書かれています」(週刊誌記者)  報告書には《文藝春秋に対する訴訟の東京地裁判決でも、週刊文春の記事において、「原告事務所〔注:ジャニーズ事務所を指す〕は怖く、当局〔注:在京の民放テレビ局を指す。〕でも事務所にネガティブなことを扱うのはタブーである」》と書かれており、当時の『週刊文春』が報じたメリー氏の圧力内容を綴っている。 《「マスコミ対応を委ねられているメリー喜多川は、ドラマの共演者が気に入らないと、その放送局の社長に直接電話をかけ、外すよう要求することもあった」 「平成8年5月にSMAPのメンバーであった森且行が原告事務所を辞めさせられた」 「メリー喜多川は、森がオートレーサーの試験に合格した事実を前向きに報じようとした民放のプロデューサーに、『SMAPには森なんていなかったでしょ?』『最初からいないの。森はSMAPのメンバーじゃない。』などと大声を出した」 「森が原告事務所に内緒でレーサーの試験を受けたことが、メリー喜多川の逆鱗に触れた」 「森の脱退に際して、何らかのイベントは一切なかった」》  そして、このように結論づけている。 《その重要な部分が真実であるとの証明がされたか、又は少なくとも、被告の文藝春秋らが、これを真実と信ずるについて相当の理由があったというべきであり、「マスメディアは、原告事務所を恐れ、追従していること」それ自体又はその前提となる事実を真実と信ずるについては、相当の理由があったと判示している(この点は、東京高裁判決においても維持されている)。》 ■自分たちが触れられたくない恥部は平気でスルーするテレビ局  だが、「ドラマの共演者が気に入らないと、その放送局の社長に直接電話をかけ、外すよう要求することもあった」「SMAPには森なんていなかったでしょ?」などの具体的な圧力の内容を放送した番組は見当たらない。 「自分たちにとっての恥と言いますか、触れられたくない部分はスルーする。これでは今までと何も変わりません。そのような部分に目を向けて、初めて『なぜジャニー氏の性加害を報道しなかったのか』という反省ができるはずです。『私たちも反省しなければならない』という上辺のコメントなら誰でもできます。今回も結局、口先で『反省』というだけで、一時的に取り上げるだけで終わってしまうのでは」(前出の週刊誌記者)  実際、フジテレビの編成制作局局長は9月4日の改編会見で「(ジャニーズ事務所の)タレントに問題があったわけではないので、これまで通りの番組出演としてキャスティングしていく」と話した。一方、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ制作、日本テレビ系)のように「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の会見を生中継で伝える番組もある。 「フジテレビは本当に反省しているのか疑問に思われても仕方ないですが、『ミヤネ屋』のように一歩前進していると感じる報道もある。ただ、基本的には『当事者の会』の話をそのまま伝え、フリップで説明して、専門家やコメンテーターが意見を述べているという従来の形式です。もっと踏み込んだ“検証報道”を期待したい」(ベテラン芸能記者) ■テレビ局にはジャニーズ問題のネタが腐るほど転がっている  テレビ局が本当に“真摯な姿勢”を見せるなら、“独自の検証番組”を作るべきだろう。 「ジャニー氏の性加害をなぜ報道しなかったのかはもちろん、メリー氏の放置と隠蔽についても細かく報じる必要がある。テレビ局にはメリー氏から圧力を受けた社員が定年退職者含め、間違いなくいる。彼らが出てきて、事細かに話すべきです。顔出しが嫌なら、音声を変えての匿名でいい。ジャニーズの問題に関して、自社にネタが腐るほど転がっているのに、なぜ新聞を読み上げるような番組ばかり作るのか。その時間を社員の告白に変えればいい。『マスメディアの沈黙』について上辺だけの反省をしても意味がない。本気で原因を解明しない限り、また同じことが起こりますよ」(前出のベテラン芸能記者)  ジャニーズタレントを使うより、“メリー氏の圧力検証番組”のほうが視聴率を取れそうだ。

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