東京・汐留で2012年1月21日昼、180人あまりが集まるデモがあった。2011年8月以来続いている、「反フジテレビ・韓流デモ」の参加者たちを中心としたものだ。
ヤリ玉に上がったのはフジテレビではなく、大手広告代理店「電通」。都内の最高気温は4度、参加者は冷たい雨に濡れながらおよそ1時間にわたり、シュプレヒコールを上げ続けた。
「電通解体!」叫んで行進
電通本社に向け、シュピレヒコールを上げるデモ隊
電通本社に向けシュプレヒコールを上げるデモ隊
電通が広告代理店として「すべてのメディアを従え」、過剰な「韓流ごり押し」と「日本のイメージダウン」を行っていると主張するデモ隊は、
「電通は韓流ブームねつ造商法をやめろー!」
「電通解体! 電通解体!」
と口々に叫びながら、電通本社の周囲を練り歩いた。周辺にある日本テレビや朝日新聞社に対しても「韓流押し」「反日的」だとして、
「日本テレビは第2のフジテレビになるなー!」
「朝日新聞は自主的に廃刊しろー!」
「お前たち反日企業の前に、私たちは何度でも来るぞー!」
と拳を振り上げた。
2011年夏、俳優・高岡蒼佑(当時・蒼甫)さんのツイッターをきっかけにネットで広がった「反フジ」「反韓流」の声は、8月21日にはお台場・フジテレビ本社前でのおよそ6000人が参加するデモに発展し、一時はマスメディアでも大きく取り上げられた。
それから5か月、なぜ「反フジ・韓流デモ」参加者たちのホコ先は変化したのか。デモに初期から参加してきた男性は、こう語る。
「これまでフジに対しデモを行ってきたが、全くメディアは変わらない。『韓流偏向』の根本はやはり『電通』なんです」
とはいえ、その規模は最盛期の30分の1だ。かつては多くのスレッドが立てられた2ちゃんねるでも、
「まだデモやってたのか、元気やの」
「もはや何がしたいのか分からん」
という声が目立つ。
その一方で、参加者からは、
「確かに人数は減ってしまった。しかし過去に参加した彼らは今も抗議の気持ちは持ち続けているし、少なくともこの180人はずっと続けていくと思う」
といった声も聞かれた。