【パリ時事】フランスのフィリップ首相は14日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、生活必需品を扱う店以外の国内全ての店舗を休業にする政府決定を発表した。スペインのサンチェス首相も同日、非常事態を宣言。同様の店舗休業措置を取り、住民の外出を制限すると表明した。欧州では感染者の急増に歯止めがかからず、各国は強力な措置に踏み切った。
仏政府の決定は15日午前0時(日本時間同8時)に発効し、期間は未定。衣料品店や飲食店が休業となる一方で、食料品店や薬局などは営業を続ける。フィリップ首相は記者会見で、15日の統一地方選は「投票者同士が一定の距離を保てるようにするなどの対策を取った上で予定通り行われる」と強調。投票は朝から行われた。
投票所を訪れたパリ近郊に住む男性(66)はAFP通信に対し「投票はしなければならない。感染リスクは少ない」と訴えた。ただ、男性の3人の子供たちは感染を恐れて投票を断念したという。
仏保健省は14日、国内の感染者が前日より約800人増え約4500人に、死者が91人になったと明らかにした。
14日のスペインの報道によると、サンチェス首相のベゴニャ・ゴメス夫人も感染が判明した。夫妻共に体調の悪化はみられないが、公邸で自主的な隔離生活に入った。スペイン保健省は15日、国内の感染者が24時間で約2000人増えて7753人、死者は288人になったと発表した。サンチェス首相は14日、不要不急の外出が同日から禁止されると明らかにした。