ブレイクとは「バカに見つかる」こと - 有吉さんの名言に学ぶ

先週はバブルにまつわる会話をする機会が多かった。タクシーがとにかくつかまらなかったらしく、街中では本当にボディコンの女性がそれをつかまえるのに苦労したとの話も実体験として聞いた。
証券ディーラーは残っている人にディーリングフォンで数十社に電話してもらってまで確保していたなどという、ウラワザもあったらしいレベル。もちろん当時の彼らのボーナスもすごいことになっていて、よく言う”立つ”とかいうレベルでもなかったとのことで、そらそうなるわな、とも妙に納得してしまった。
それからの日本といえばそのツケを長く払ってきているわけですが、戦争はおろかバブルをも知らない私としては、バブル当時の人々の価値観を理解も出来ないし、その後の苦しみも伴うというなら体験したくもないとも思っていたり。「理解も出来ない」ということはつまり、バブル経験者から当時のカネの使い方の話を伺う度に、個人的には「こんなの絶対サステナブルなはずがないよね」という思いを持ってしまうということであり、当時としてはノらなきゃ損ということは分かるんですが、ぶっちゃけるとバカじゃね?と思うことすら往々にあるということだ。
そんな中、ちょっと前にはなるが、電波少年「ヒッチハイクの旅」でコンビ「猿岩石」として有名になり、現在では「あだ名の帝王」としても知られる有吉さんの発言が忘れられない。
それは、「ブレイクとはバカに見つかること」という名言。
詳しくは以下に引用するが、彼の芸能ライフが如何に凄まじくハイボラティリティであったかは想像を絶するほどでもあって、そんな背景と彼の感性があってこそ自然に出てきた名言であることを念頭に置いて読み進めていただけると味わい深さをより感じられるかもしれない。Wikipedia記載の彼の略歴をお供にどうぞ。
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どこででもあだ名をつけてくれって言われるようになったんですよ。
ここ(「アメトーーク」)でやってるうちは良かったんですけど特徴も何もない人間につけてくれって来るんですよ。
面倒くさいから、まあ適当なの付けてますよ。「バカ」とか「クソ」とかつけてりゃいいんでしょ、と。あだ名をつけるのを断るわけにはいかないですよ。
大きな流れにのみこまれてしまったわけですから。それはもう僕の責任だから。それは覚悟してつけるんですよ。
だけどそのうちにスタッフが、「ちょっと有吉さんあだ名付けてほしいんですけど事前にあだ名聞かせていただきますか?」っていうのが出てきたんですよ。
今まで、ずっと本番でその場その場でつけてきたのに。
「いやぁ、じゃあつけるとしたら『整形クソババア』ですかね」っていうと「わかりました。じゃあちょっと本人に聞いてきます」って。
それで「NOです」とか言われるんです。
そしたらただ陰口言って嫌われてるみたいじゃないですか。あだ名が台本に書いてある場合もあるんですよ。
この人はこういうキャラなんでこれを言ってください、みたいな感じで。「一重のバカ野郎」とか書いてあって、何にも面白くない!
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こんな状況だから有吉は「深夜では頑張れるんですけど、ゴールデン(タイム)ではペッソペソ。規制が多いんです。ゴールデンはやっぱり僕、ダメだと思うんです」と言っている。
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何をブレイクしてんだって。見つかっちゃったな……っていう感じが。
ブレイクするっていうのはバカに見つかるってことなんですよ。
(てれびのスキマ:http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/20090306 より引用)
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これって言い得て妙だなぁと思いましたね。すべてのブレイクがそうとは言えないものの、「バカに見つかってブレイクしたもの」って、意外に思いつくんですよね。私はその意味でものすごく納得してしまって、自分自身というバブルを経験した彼の言葉に感動すら覚えてしまったわけですが、つまり、何かがブレイクするときってのはそれが本当に相応の価値があるかというのは当事者はきちんと判断をしていないってことなんでしょうね。

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