インターネットで注文した商品を家まで届けてくれるネットスーパーの普及が拡大、参入企業も増加している。株式市場でも円高で輸出セクターが注目する中、内需関連の有望銘柄の一角として期待も高まっているようだ。
現在のネットスーパー最大手とされるのが、セブン&アイ・ホールディングスのイトーヨーカドーだ。約3万アイテムという品数の豊富さと、全国に対応可能な店舗があるのが特徴で、一定以上の金額を購入すると送料が無料となるサービスもある。
イオンも一部地域で、近くに店舗がない地域にも生鮮食品を含む商品を当日中に届けるサービスを開始するなど力を入れている。
ネットスーパーは、ほぼ365日24時間注文できる手軽さと、店舗とほぼ同じ値段で買えるお得感、配送で最短3時間といった手軽さが受け、大手だけでなく、中堅スーパーまでが積極的に展開を始めている。
もう一つ注目されるのが、交通網の弱体化などで、食料品などの日常の買い物が困難な山間部や過疎地などの「買い物難民」対策としての用途だ。
「実は地方だけでなく、東京の多摩ニュータウン、横浜の公田町団地、千葉県船橋市の金杉台団地など主要都市の大規模団地でも大きな問題となりつつある。経済産業省は買い物難民を600万人以上と推計しているが、今後も増加が確実視されていることから、潜在需要は大きい」(投資情報誌)
現在のネットスーパーでは、山間部などの配送は対象外だが、楽天が運営する楽天ネットスーパーモールでは、住所を入力するだけで、モールに参加しているネットスーパーの中から、その住所に配達可能なネットスーパーを検索できる機能をつけている。
さらにセブン-イレブンやローソン、ファミリーマートなどは、軽トラックなどを改装した「走るコンビニ」による移動販売を開始しており、地方への展開が期待されている。低迷する日本株の活性化にもつながるか。
【注目のネットスーパー関連11銘柄】
・ローソン…過疎地でも地元の第三セクターと協力して店舗を展開
・らでぃっしゅぼーや…宅配有機野菜のパイオニア。ローソンと提携も
・セブン&アイ・ホールディングス…ネットスーパートップの約3万アイテムを扱う
・楽天…ネットスーパーモールには紀伊国屋や東急ストアも出店
・ファミリーマート…一部地域で新聞配達と協力した宅配システムを実験中
・ライフコーポレーション…10月からネットスーパーに参入。まずは東京23区内で
・オークワ…和歌山、大阪、奈良、三重の近畿圏中心にネットスーパーを展開
・ダイエー…今期よりネットスーパー本格化。13年2月末までに70店舗に導入予定
・イズミヤ…大阪、京都、兵庫でネットスーパーを展開。約5000アイテムを取り扱う
・イオン…店舗のない地域でも即日配達を行う広域ネットスーパーを実験中
・ヤマトホールディングス…宅配便の国内シェアは4割でトップ。ネットスーパーからの配送も