プチぜいたく&知的好奇心満足 「日帰りバスツアー」人気の裏側

■集合場所も自宅近くで便利
 秋の行楽シーズン真っ盛り。とはいえ長引く景気の低迷でお金と手間はかけられない。そんな中、高齢者や女性グループの間では、手軽な日帰りバスツアーが人気を集めているようだ。最近の傾向はというと…。
 数年前の日帰りバスツアーは「食べ放題」「味覚狩り」「紅葉狩り」などが定番だった。今でもこうしたツアーの人気は高いが、最近では、旅行会社各社がアイデアを競ってさまざまなツアーが登場し、集合場所もターミナルでなく自宅の近くの駅前という便利なツアーも増えた。
 日帰りバスツアーに力を入れているクラブツーリズム(東京都新宿区)の集合場所は首都圏で300カ所と10年間で倍増した。同社では、「大人の社会科見学」と銘打った国会議事堂やビール工場見学など知的好奇心を満たすツアーが人気だ。
 はとバス(東京都大田区)も「講談師と一緒に坂本龍馬ゆかりの地を巡るツアーや案内人付きで日本橋をまわるツアーが人気」という。
 日帰りバスツアーの平均単価は7000円前後。クラブツーリズムでは、こだわりの食事が3食つく9980円のツアーも参加者が多い。日帰りバスツアーの参加者は、55歳以上が9割、女性が8割を占める。「プチぜいたく」を楽しみたい中高年が多く、「ゆったりとした特別専用バスを使用する2万円前後の日帰りバスツアーも富裕層に売れ行きがよい」(クラブツーリズム)と指摘する。高級旅館やホテルでの食事などコストパフォーマンスが高いのが人気の秘密とか。
 また、旅行各社が中高年と並んでターゲットにしているのは外国人旅行者。定期観光バスで外国人に人気のはとバスは、日帰りバスツアーでも中国語のできる添乗員が同行するツアーを設定した。クラブツーリズムは、ツアー募集サイトを英語、韓国語、中国語(繁体字、簡体字)で開設し、今年度は昨年度の10倍の1万人の取り扱いを目指している。(財川典男)

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