ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏が所有するビジネスジェット機が23日に墜落し、同氏を含む乗員乗客10人の死亡が確定的とみられているなか、米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)は同日、「プーチン大統領がロシア軍司令部にプリゴジン氏の飛行機を撃墜するよう命じたのは、ほぼ間違いない」と分析した。 【画像】炎上する飛行機。ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏の搭乗情報があるプライベートジェット機が23日、ロシア北西部トベリ州で墜落したとみられる=ロイター、第三者提供 ISWは、「プーチン氏の許可なしにショイグ国防相ら軍の関係者がプリゴジン氏を処刑する可能性は、きわめて低い」と主張。その上で、「ワグネルのリーダーの暗殺は、独立組織としてのワグネルを排除するための最終段階だったとみられる」と指摘した。 ジェット機が墜落する前日の22日には、プリゴジン氏に近いとされる、ウクライナ侵攻で軍の副司令官を務めたスロビキン航空宇宙軍司令官の解任が報道された。これについてISWは「偶然ではないだろう」とし、「クレムリン(ロシア政府)は、反乱に関与した者は処分され、ワグネルの挑戦は決着済みであるという明確なメッセージを送ろうとしたのだろう」との見方を示した。 ISWはまた、プリゴジン氏らの「暗殺」は、「ワグネルの指揮系統とブランドに劇的な影響を与えるだろう」と述べた。ワグネルの指揮官や戦闘員らが身の危険を恐れたり、士気が低下したりする可能性にも言及した。