国の交付金を使い、全国の自治体が発行する「プレミアム付き商品券」が人気を呼んでいる。
熊本県が発行したプレミアム付き旅行券は、2500円で5千円分使えるとあって、ほぼ2週間で完売した。熊本市も、プレミアム付き商品券のPR街頭パレードを実施するなど、盛り上がを見せる。(谷田智恒)
「参加店舗のみなさん、プレミアム付き商品券事業を大いに盛り上げ、今後の売り上げアップにつなげてください」
熊本市中央区の新市街商店街で今月3日、市共通プレミアム付商品券実行委員会の境信良会長が呼びかけた。6月から予約受付が始まった商品券をアピールするイベントで、関係者約50人が、市のPRキャラ・ひごまるやチンドン屋に先導され、商店街を練り歩いた。
同市で発行されるのは、誰でも購入可能な「みんなお得な熊本市プレミアム付商品券」(20万冊)と、中学生以下の子供がいる子育て世帯のみを対象とした 「子育て応援熊本市プレミアム付商品券」(5万冊)の2種類だ。どちらも1万円で、みんなお得商品券は1万1500円分、子育て応援商品券は1万2千円分 の買い物ができる。
商品券の利用期間は7月1日~10月31日で、市や熊本商工会議所などは今月1日から、はがきとインターネットによる予約受け付けを始めた。今月16日まで受け付け、応募者多数の場合は、抽選で購入者を決める。
市商工振興課の担当者は「5日現在で市内のスーパーや飲食店など約1300店で使える見通し。すでに約6千600人の応募があり、順調な滑り出しといえる。使える店をさらに増やし、利便性を高めたい」と話した。
一方、先行した熊本県は、県内のホテルや旅館約400軒で使えるプレミアム付き旅行券「くまもっと楽しむ券」の販売を4月20日、始めた。県観光連盟が運営する旅行商品販売サイト「VISIT熊本県」で取り扱った。
販売期間は来年1月末までの予定だったが、額面5千円に対し販売金額2500円というお得感が受けたのか、5月7日頃には約10万8千枚が完売した。
県観光課によると、完売後も、県庁に「追加販売の予定はないのか」との問い合わせが相次ぐという。
プレミアム商品券は、政府が平成26年度予算に計上した自治体向け交付金「地域住民生活等緊急支援交付金」4200億円のうち、1589億円を使い、全国各地の自治体で発行される。
熊本県のほか、徳島県や福井県敦賀市などでも完売しており、個人消費を押し上げているといえそうだ。