気仙沼市松岩小(児童284人)で9日、使用済みのペットボトルをペットボトルに再生する「水平リサイクル」の啓発授業があった。昨年7月に県内で初めて同市とリサイクル事業の協定を結んだサントリー(東京)が企画した。
4年生62人が参加。同社の野牛あかねさん(41)が講師を務め、ペットボトルを循環させる「ボトルtoボトル」の仕組みを再生原料や動画を使って紹介した後、キャップを外してラベルを剥がし中を洗って小さくつぶす分別の手順などを説明した。
子どもたちは、リサイクルの推進によるごみの減量や地球環境保護の必要性について、メモを取りながら学習した。伊藤翔(かける)さん(10)は「これからも資源を減らさないために協力していきたい」と話した。
気仙沼市では年間約235トンのペットボトルを回収しており、協定に基づき4月から全量がサントリー製飲料に再利用されている。新たに石油由来原料からペットボトルを作るのに比べ、二酸化炭素は約60%削減されるという。
サントリーは、2030年度までに製品の全量をリサイクルと植物由来のペットボトルにする計画を掲げている。全国で100を超える自治体と協定を結んでおり、東北では4県の20市町と締結。県内でも気仙沼市に続く協力自治体の拡大を目指している。