キリンホールディングスは8月29日、リサイクルに対応したペットボトルの直接印刷技術を発表した。実用化されると消費者はゴミ分別でフィルム状のシュリンクラベルを剥がす手間がなくなる。
キリンのパッケージイノベーション研究所が、富士フイルムの剥離インクを使ってペットボトルの表面に直接デジタル印刷する技術を開発した。併せてリサイクルの洗浄工程でインクを剥がし、分離させることに成功。シュリンクラベルをなくせばプラスチックを約8%削減できる他、ラベル使用に伴う温室効果ガス排出量も約84%減らせるとしている。
日本のペットボトル飲料は、商品ロゴやバーコードを印刷したシュリンクラベルを巻き付けるのが一般的だ。これは従来の印刷技術でペットボトルに直接印刷するとリサイクル時にインクが残り、PET樹脂の品質が落ちるため。PETボトルリサイクル推進協議会の定めるガイドラインではペットボトルへの直接印刷を禁止している。
キリンは今回の印刷技術をライセンス提供などで広く展開する考えで、PETボトルリサイクル推進協議会にも申請済み。「ラベルを剥がす負担を軽減し、リサイクルをより手軽にする」としている。