消費税増税で家電製品などの販売減が懸念される中、100万円もするカメラが約2カ月の入荷待ちという人気になっている。リコーイメージングの中判デジタル一眼レフカメラ「ペンタックス 645Z」。従来なかった画質や性能がプロカメラマンや愛好家らに支持されている。
中判カメラは35ミリフィルムのカメラより一回り大きく、プロや写真館の撮影で使われる。645Zはそのデジタル版で、約5140万画素の超高精細画像が売り。オートフォーカスなどの機能も向上させた。
想定価格はボディーが約80万円、レンズは約10万円で、税込みだと約100万円もするが、予約注文は世界で約1500台(国内約700台)に上った。月産400台のため、6月27日の発売以降も「供給が追いつかず、店頭に展示する商品がない状況」という。
中判デジタルカメラはスタジオで使用されるケースが多く、300万円以上する製品もあった。645Zは価格を抑え、屋外での使用にも対応している。
カメラ機能を搭載するスマートフォン(高機能携帯電話)の普及でデジカメ販売は苦戦しているが、坂口賢執行役員は「高画質のニーズは強い。新たな価値を提供することで愛好家に支持されたのではないか」としている。