ホヤでバーガー 宮城水産高生が金賞

東京都内で3月にあった日本水産学会春季大会の高校生発表の部で、宮城水産高(石巻市)の当時1年阿部永遠(とわ)さん(16)=現2年=と当時3年山本 航大君(18)=現石巻専修大1年=が、最高賞の金賞を受賞した。東日本大震災で被災した地域の活性化に向け、ホヤを活用した取り組みが評価された。

2人は部活動で調理研究部に所属。昨年度の部員は2人だけだったが、協力して励んだ。発表テーマは「ホヤの利用拡大を通じた専門高校連携による被災地域活性化への取り組み」だ。
震災後に風評などで販路獲得に苦慮する県産ホヤの活用法として、2人は若者にも食べやすい料理や調理方法を研究。地元の石巻北高や相沢製菓(石巻市)などと連携し、ホヤをミンチして揚げた「コロッケーバーガー」を開発した。
石巻北高が生産する米粉を衣に使ってホヤを揚げ、相沢製菓が作る米粉パンに挟んだ一品。風味が柔らかく、外側はパリッと中はとろりとした食感が好評を得たという。阿部さんは「取り組みが評価され、うれしい。今後もホヤ料理を開発したい」と喜ぶ。
このほか、増殖研究部に所属する当時2年の渥美友揮君(17)=現3年=の発表「万石浦で見られる魚類の東日本大震災前後の変化」も銅賞に選ばれた。
同校近くの万石浦で、震災前から継続的に実施する魚類採取のデータをまとめ、考察した。防潮堤工事が始まるとマハゼが激減したことなどを報告した。渥美君は「データを分かりやすく提示できた。ことしは、マハゼ減少の理由を突き止めたい」と話す。
高校生発表の部では、全国の32校から53テーマの研究が発表された。

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