宮城県産ホヤから国の規制値を超えるまひ性貝毒の検出が相次いだ問題で、県は22日、関係者による貝毒対策連絡会議を開き、監視海域を8海域に再編することを正式決定した。現行の3海域のうち北部と中部を細分化する。県は25日にも8海域での検査を始め、早ければ26日に出荷が再開される見通し。
北部を唐桑半島東部-志津川湾の4海域、中部を追波湾-女川湾・牡鹿半島東部の3海域に細分化。検査体制の強化と出荷規制のリスク分散の両立を図る。県は関連指針の改定を急ぐ。
県産マボヤは5月18日に中部、21日に北部でまひ性貝毒が検出され、出荷規制中。県内生産量の9割を占める両海域は広く設定され、貝毒の影響がない産地まで出荷規制が及ぶため、県漁協は今月12日、県に海域の細分化を要望していた。
貝毒検査は再編前の結果を引き継ぐ。出荷規制の解除には、3週連続で規制値を下回る必要がある。北部は22日現在、2週連続で検査をクリアしており、25日予定の次回検査でも問題なければ、海域によっては出荷を再開できる。
県庁での非公開の会議で、県は早期の出荷再開に向け、まひ性貝毒の検査データを蓄積してきたホタテガイと同じ8海域への再編案を提示。出席した生産者や流通業者、学識経験者ら約25人から異論は出ず、全会一致で同意したという。
終了後、県水産林政部の石田幸司次長は「しっかりとした監視体制で安全、安心な水産物を消費者に提供したい」と強調。県漁協ホヤ部会の阿部次夫会長は「生産者には朗報だ。食の安全性も守られる」と歓迎した。