ホンダ、リコールを全米に拡大へ 米公聴会で表明、タカタのエアバッグ問題

【ワシントン=小雲規生】ホンダは3日、下院エネルギー・商業委員会の小委員会での公聴会で、日本の部品メーカー、タカタのエアバッグが作動時に破裂して金属片をまき散らす可能性がある問題に関連し、原因究明のために行っている運転席エアバッグの自主的な調査リコールの対象をこれまでの高温多湿地域から全米に拡大すると表明した。
 公聴会で証言した北米ホンダのリック・ショステック上級副社長は対象地域拡大の理由について「顧客が懸念を抱いている」ことを挙げた。タカタによる運転席エアバッグのテストでは破裂は確認されていないため、リスクがあると判断された場合に行われる正式なリコール(無料の回収・修理)ではなく、自主的な調査リコールで対応する。
 一方、米道路交通安全局(NHTSA)幹部は公聴会で、湿度が高くないカリフォルニア州やノースカロライナ州でも運転席エアバッグの破裂事故が起きていることを理由に、改めて全米規模でのリコール実施を主張。ホンダの自主的な対応を評価した。
 ただし幹部はタカタが破裂事故の原因は調査中だとして全米規模でのリコールに消極姿勢を示していることについて、「タカタの対応には深く失望している」と批判。「タカタと自動車各社に全米のドライバーの安全を確保させるための適切な措置をとる」として、タカタなどにさらに説明を求める方針を示した。
 一方、ホンダは高温多湿地域のみで行っている助手席エアバッグの正式なリコールについては、全米規模への拡大を見送った。タカタによるテストでは助手席エアバッグの破裂は高温多湿地域から回収されたものだけで確認されており、ホンダは「正式なリコールを全米に拡大するだけの根拠がない」としている。
 NHTSAは「助手席エアバッグの破裂についてはあらゆるデータが高温多湿地域との関連を示している」としているが、高温多湿地域以外での破裂が確認されるなどすれば迅速に行動するとしている。

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