ホンダは19日、中小型車用の「過給(ターボ)エンジン」を開発したと発表した。ターボエンジンは、排気量を2~5割減らし、代わりにターボチャージャーで過給する仕組みで、従来エンジンよりも燃費性能が向上する。来年以降、順次、乗用車に載せていく計画だ。
現状ではターボ車は軽自動車のみで展開しており、乗用車では1991年まで販売していた高級セダン「レジェンド」を最後に、姿を消していた。開発したのは、排気量2000cc、1500cc、1000ccの直噴ガソリンターボエンジン。
特に、2000ccの4気筒直噴ターボエンジンは、最高280馬力以上の高出力を実現しつつ、来年より欧州で施行される欧州の排出ガス規制「EURO(ユーロ)6」に適合した。10年8月末に生産を中止したスポーツカー「シビック・タイプR」を復活させ、同エンジンを搭載したうえで、2015年に発売する。
ホンダは、新開発のハイブリッドエンジンに、ターボエンジンを加えることで、環境型エンジンを整える。野中俊彦常務執行役員は、「価格の高いハイブリッド車(HV)の普及が進まない新興国などでは、ターボ車を環境対応車の主力に位置づけていく」としている。独フォルクスワーゲン(VW)など欧米勢は、ターボ車を主力に位置づけ世界展開している。