ホンダ「HVで伝説をつくる」 2026年に次世代車投入、コスト半減で収益力強化

ホンダは18日までに、世界最高水準の燃費性能を実現し、同一車種の2018年発売モデルに比べ車両コストを半減した次世代ハイブリッド車(HV)を26年から順次投入する方針を明らかにした。30年までにHVの連結販売台数を23年比倍増の年間130万台に拡大する計画だ。北米を中心に需要が増えているHVの競争力を高めて収益基盤を強化し、電気自動車(EV)の本格普及と次世代電池などの先端技術投資に備える。ホンダが公開した小型車向け次世代ハイブリッドシステム=15日、栃木県(池田昇撮影)

ホンダが公開した小型車向け次世代ハイブリッドシステム=15日、栃木県(池田昇撮影)© 産経新聞

同社はHVの技術説明会を15日に開き、記者会見した林克人執行役四輪事業本部長が、初公開の次世代技術で「伝説となり、後世でも語り継がれるほどの評価をしていただけるようなHVを残したい」と述べた。HVのパイオニア(先駆者)、トヨタ自動車の「プリウス」に並ぶ存在感の獲得を目指す。

世界最高水準の燃費性能

次世代技術は、新開発した排気量1・5リットルと2リットルの直噴エンジンをベースに、モーター制御や電池を含めて、小型車向けと中型車向けそれぞれのハイブリッドシステムを全面刷新。システムはプラグインハイブリッド車(PHV)の開発にも転用できる。中型車向けは、車体重量の約90キロの軽量化と、さまざまな車種を柔軟に開発できるモジュール構造の新プラットホーム(車台)も開発した。Copilot+ PC

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新エンジンは、走行状態に合わせた最も効率の高いガソリンの燃焼と米欧の次期排ガス規制をクリアする環境性能に対応。燃費の数値は非公表としたが、新車台との組み合わせでは10%以上の性能向上を目指すなど、世界最高水準の燃費を実現するという。

さらに、変速などの運転操作へのシステムの応答性を高めると同時に、迫力のあるエンジン音を流して車を操る楽しさを際立たせる新技術「エスプラスシフト」も導入、他社のHVと差別化する。新技術は25年発売予定の新型「プレリュード」に先行搭載する。

ソフトの更新で機能を拡充

また、スマートフォンのようにソフトの更新で車の機能を拡充・追加する仕組みなど次世代EVに導入する高度なソフト技術も、HVに適用していく方向だ。

ホンダは、脱炭素に向けて40年に新車販売のすべてをEVと燃料電池車(FCV)とする目標を掲げている。だが、林氏は、30年時点の新車のEV比率は30~40%で、残りのエンジン車領域ではHVが成長の核になるとの見方を示した。

次世代システムは小型と中型の主要部品の共通化などにより、現行比で約30%以上のコスト低減が見込まれるという。現行システムは18年発売モデルの搭載技術に対しコストを25%削減しており、同社の狙い通りなら車両の収益性が18年モデル比で2倍に向上し、業績を牽引(けんいん)する。

HVを巡っては、SUBARUが新技術搭載車を今月発売、日産自動車も独自システム「e-POWER」の次世代技術を26年にも投入する予定で、商品力強化の動きが広がっている。ホンダはEV展開の一方で、引き続きエンジン領域の技術を進化させる研究開発を維持する。(池田昇)

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