ホンダ13年ぶりV 接触で1時間45分審議も歓喜

<F1:第9戦オーストリアGP>◇決勝◇30日◇レッドブル・リンク

6月30日に行なわれたF1第9戦オーストリアGPで、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝した。今季初優勝。ホンダにとっては2015年のF1復帰以来初、第3期F1活動の2006年ハンガリーGP以来の勝利となった。

【写真】ホンダの田辺豊治テクニカルディレクター

レース終盤にライバルよりフレッシュなタイヤで猛攻を仕掛ける戦略がピタリとはまり、残り20周で次々とオーバーテイクを成功させて4位から首位まで浮上してみせた。

ホンダも通常より攻めたエンジンセットアップでパワーを捻り出してこれに加勢した。田辺豊治テクニカルディレクターは「チームと今週は『行けるところまで行く』と話していましたしレース終盤に『もっと行っちゃうよ』というかたちで我々からパフォーマンスを上げる設定で走らせることを提案しました」という。

残り2周で首位シャルル・ルクレールを抜いた際に接触したことが審議対象となり、両ドライバーへの聴聞も含めた審議は1時間45分にも及んだが、最終的にレーシングアクシデントと判断されてフェルスタッペンの勝利が確定した。

フェルスタッペンは、レッドブルリンクに詰めかけた地元ファンと母国オランダのファンを前に喜びを語った。

「本当に信じられないほど素晴らしいレースだった。終盤はペースがすごく良かったし、僕は絶対に諦めなかった。シャルルとは接近戦だったけど、あれが許されないなら家にいた方がマシだ。チームにとってはホームグランプリであり、これまで何年も苦労してきたホンダが初優勝を挙げることができて本当に嬉しいよ」

田辺テクニカルディレクターはレッドブル側からの提案で優勝チーム代表者として表彰台に登壇し、さらなる進化を誓った。

「F1に復帰してからこれまでいろいろと経験してちょっと時間が掛かりましたけど、まず最初の1歩を踏み出せたかなと思っています。これまでいつも1歩1歩進んでいきたいと言っていましたけど、今日のレースが本当の意味で最初の1歩になるんじゃないかと思います。このプロジェクトの立ち上げから苦労してきた全ての人々、助けてくれたトロロッソ、レッドブル全ての人々のおかげだと思っています。今日はマックス選手が非常に力強い走りをしてくれてトップでフィニッシュしてくれました。これまでの戦闘力の状況を考えると、常々話している通りですがドライバーを含めてのマシンパッケージの結果だと思いますし、この先まだまだいろんなタイプのサーキットがありますし、いろんな状況があると思いますから、これからさらにパフォーマンスを上げて常にこんな戦い方ができるようなところに持って行きたいと思います。そのためにホンダとしてはパワーユニットのパフォーマンスをさらに上げてサーキットに持ち込んでいきたいと思います」

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