ホーキング博士の答え

先日行われた、第87回米アカデミー賞。映画『博士と彼女のセオリー』でスティーヴン・ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインさんが主演男優 賞を受賞したことでも話題となったが、その半生が映画化されるほどホーキング博士は有名だ。彼が「ブラックホールは存在しない」との論理を展開したこと も、記憶に新しい。

そんなホーキング博士の言動にはいつだって注目が集まるが、今回も「人類の美点と欠点は何ですか?」との質問に対する彼の答えが話題となっている。博士はいったい、どう答えたのだろうか?

・「人類の欠点は “攻撃性” 」とホーキング博士
この度、英ロンドン・サイエンスミュージアムにて、「人類の美点と欠点はなんだと思われますか?」との質問を受けたホーキング博士。まずは欠点として人類の「攻撃性」を挙げた。

「人類の直すべき欠点は、攻撃的な部分ですね。太古の昔はその攻撃性でもって、食料や縄張り、配偶者などを得ながら、人類は生き延びてきたのかもしれません。けれども今では、この攻撃性が人類を滅ぼしかねないのです」

このまま戦いが続き、致命的な核戦争が勃発してしまえば、人間の築き上げた文明、あるいは人類が終焉を迎えるだろうというのだ。

・美点は「共感する力」
では人類の良いところは、なんだろう? それは……「共感する力」だという。「私がもっとも誇りに思う人類の美点は、“共感する力” です。お互いに共感することで、平和が築かれるのです」と彼は語っている。

・宇宙探査は人類にとって重要なこと
他にも、人類の宇宙探査にもホーキング博士は言及。莫大なコストがかかることから、しばしば無駄だと批判される宇宙探査だが、彼は「他の惑星に移住をすることで人類の滅亡が防げる可能性があったりと、現在行われている宇宙探査は、人類の存続がかかった重要な保険なのです」と述べたのだった。

また、「確かに宇宙探査は、私たちが直面している様々な問題を直接的に解決するものではない」と認めつつも、それらの問題を解決するための “新しい視点” を与えてくれたはずだとも話している。

・映画『博士と彼女のセオリー』について
冒頭でも触れた映画『博士と彼女のセオリー』だが、この映画を見終わった後、ホーキング博士は涙を流していたのだとか。その上、「自分自身の姿を見ているような感覚に襲われる場面がいくつもあった」とのメールを、監督に送ったとも伝えられている。

米アカデミー主演男優賞受賞についても、彼は自身の Facebook のページで「よくやりましたね、エディー。とても誇りに思います」とお祝いのコメントを寄せていた。

現在、世界各地で争いが起こっているが、その全てが明日ピタッと終息することなどあり得ないと私たちは知っている。それでもホーキング博士の言葉を信じて、自分たちの美点である「共感する力」を伸ばそうとする人が増えることを願う。

参照元:Mail OnlineBusiness InsiderFacebookYouTube(英語)

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