マイコプラズマ、インフル…感染症に警戒の季節

今秋、マイコプラズマ肺炎やRSウイルス感染症などの患者が増えている。
 国立感染症研究所によると、11月第2週(7~13日)のマイコプラズマ肺炎の平均患者数は2001年以降の最高値を記録。
 九州、山口、沖縄では全国平均を上回る県もある。西日本では寒暖の差が激しい不順な天候が続いており、感染研は「予防のため体調管理などに気をつけてほしい」と呼びかけている。
 ◆マイコプラズマ肺炎 患者数が最多◆
 感染研が全国約500の医療機関(定点機関)の報告をまとめたところ、第2週の平均患者数は1医療機関当たり1・25人で、01年以降の10年間で最も高かった0・72人を上回った。九州、山口、沖縄では沖縄県5・14、長崎県1・73、山口県1・44。福岡県も第1週の0・4から0・73に増加。北九州市では小学校の学級閉鎖も報告されている。
 マイコプラズマという細菌による呼吸器系感染症。感染研の安井良則・感染症情報センター主任研究官は「症状が風邪に似ていて外来ですぐ診断するのは難しく、重篤化してしまうケースもある」と指摘する。
 ワクチンはなく治療は抗生物質が中心だが、薬が効かない耐性菌の増加が拡大の要因になっている可能性もある。「今年はこれまで使われてきたマクロライド系の抗生物質が効かないケースが多い。03年以降、耐性菌が増え、今では8割を超えるという報告もある」と安井研究官。別に効果がある抗生物質はあるものの、幼児の歯形成への副作用が懸念されるため、医療現場では難しい対応が続く。
 ◆RSウイルス 乳幼児に多く◆
 RSウイルス感染症は乳幼児が感染しやすい呼吸器系感染症。今年は全国的に例年を上回る患者数が報告され増加傾向が続く。福岡県の1医療機関当たりの平均患者数は、11月第1週の0・51から第2週は0・76になった。
 本来は冬に流行しやすいが、今年は6月頃から都市部を中心に感染が広がり始めた。新規患者数は10月中旬にいったん減少したものの、再び増加傾向に転じた。感染研は「感染の勢いは落ち着き始めているが、もともと冬にピークを迎える感染症。12月の動向が気になる」とする。
 ◆インフルエンザ 年明けに流行か◆
 山口県では9月に周南市の幼稚園で集団感染が発生し、クラスが閉鎖された。新型インフルエンザ(H1N1)が発生した09年を除くと、同県で最も早い時期の集団感染発生となった。その後は落ち着いた状態が続いてきたが今月21日、山口市の小学校が学級閉鎖された。
 同県以外の発生ペースは遅く、今のところ確認されているウイルスのほとんどはA香港型。しかし昨季と同様の傾向をたどれば年明け以降にH1N1型が流行する可能性もある。感染研は「いずれの感染症もうがいや手洗いで、ある程度予防できる。患者との濃厚な接触を避けるなど注意してほしい」としている。
 ◆マイコプラズマ肺炎=天皇陛下や皇太子ご夫妻の長女、愛子さまも一時、感染の可能性があるとされた。感染者の大半は14歳以下。乾いたせきや発熱、頭痛などの症状のほか、重篤になると脳炎などを引き起こす場合もある。せきや接触で広がり、潜伏期間は2~3週間。
 ◆RSウイルス感染症=多くは鼻水やせき、のどの炎症などで治まるが、乳幼児では重篤な肺炎や細気管支炎を引き起こす場合もある。免疫ができにくいため、流行期に何度も感染する可能性もある。ワクチンや抗ウイルス薬はなく、酸素吸入や点滴などの対症療法が中心。

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