マイコプラズマ肺炎猛威 患者8割が14歳以下

「マイコプラズマ肺炎」が流行している。国立感染症研究所(感染研)によると、11月14~20日の受診患者数が1定点医療機関当たり1・26人となり、調査を開始した平成11年以降、過去最多となった。患者の8割が14歳以下と小児に多い。高齢者は重症化しやすく、有効なワクチンがないことから、手洗い、うがいなどの感染予防を呼びかけている。
 同肺炎は、せきやくしゃみを介してマイコプラズマという病原体が体内に入り込むことで感染する。潜伏期間が2~3週間と、インフルエンザなど他の呼吸器疾患に比べて長い。最初は発熱や全身倦(けん)怠(たい)、頭痛などの症状があり、その後は乾いたせきが出ることが多い。せきは3~4週間近く続くこともある。
 感染研が全国500カ所の定点医療機関を調べた結果、今年は患者数が6月下旬以降、過去と比べて最も多い状態が継続。累積患者数も、11月に入った時点で、すでに過去最多だった昨年の年間患者数を上回っている。
 都道府県別(1医療機関当たり)では埼玉が4・33人で最も多く、青森3・00人、沖縄2・71人、大阪2・67人と続く。年齢別(1月1日から10月30日までの累計)では、0~4歳が36・6%となるなど、14歳以下が81・2%を占めている。
 最近は抗菌薬(抗生物質に)対する耐性を持った病原菌が増えていることが確認されているという。
 感染研の岡部信彦・感染症情報センター長は「流行が大きくなれば、それだけ合併症にかかる人も多くなる。微熱が続いたり、せきが長引いたりしたら、医療機関で受診してほしい」と話している。

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