政府が今国会に提出するマイナンバー法改正案の全容が判明した。年金や児童手当の受給者の不同意がなければ、預貯金口座をマイナンバーにひもづける制度は、まずは年金に限って始める。高齢者の公金受取口座の登録割合が低いためだ。3月に閣議決定し、成立を目指す。 【イラスト】マイナンバーで確認できる「電子処方箋」のイメージ
日本年金機構が受給者に対し、年金の振込先を公金受取口座として登録するかどうか確認を求める文書を郵便で送る。不同意ならば登録されないが、期限までに回答がない場合は、同意したとみなして、登録される。
マイナンバーにひもづけた公金受取口座は、自治体が口座情報を確認する手間が省け、迅速な支給が可能になることを期待して、政府が検討を進めてきた。新型コロナウイルス関連の給付金は、申請時に通帳のコピーを添付する必要があり、支給に時間がかかったと批判された。
改正案では、マイナンバーの利用範囲を拡大し、国家資格の取得や更新、所有する自動車の変更登録といった手続きにも利用できるようにする。住民票の写しや課税証明書の添付は不要だ。マイナンバーカードの申請も郵便局でできるようになる。