マクドナルド 利益半減の驚愕

「第1四半期(2013年1~3月期)から続く客数の減少を過小評価する一方、プロモーションの効果を過大評価してしまった」。日本マクドナルドホールディングス <2702> の今村朗執行役員は、そう言って肩を落とした。 12月19日、同社は2013年12月期の業績予想を下方修正した。売上高は従来予想から50億円減の2600億円、経常利益は同95億円減の100億円に見直した。前期との比較だと、売上高は11.8%の減少、営業利益は57.9%の減少となる見込みだ。
 経常利益の下方修正幅である95億円を要因ごとに分解すると、次のようになる。売り上げの不振で40億円のマイナス、店舗改装やスタッフ増員など将来に向けた投資で15億円のマイナス、光熱費の上昇で5億~8億円のマイナス、店舗立地の見直しのための戦略的閉店の費用で8億円のマイナス、といったところが主だったものだ。
 このうち、最も影響額が大きく、かつ深刻な「売り上げの不振」の理由について、今村執行役員は「メニューがお客様の期待に応えられなかった」と振り返った。11月にモモ肉からムネ肉に変えたチキンフィレオが女性客に好評だったほか、12月に投入したチェダーチーズを使ったハンバーガーやウィンターデザートは好調に推移しているという。
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■ 定番メニュー不振、既存店は前期比6%減
 しかし、裏を返せば、「これ以外の定番メニューは全体的によくなかった」(今村執行役員)。消費者がコンビニの中食などへシフトしていることやマクドナルドの期間限定メニューの魅力不足などもあり、年初からの減少モメンタムを変えることができなかった。
 こうしたメニュー全般の苦戦によって、既存店売上高は前期に比べて6%強のマイナスとなる見込み。8月に事業会社のトップが原田泳幸氏からサラ・カサノバ氏に替わり、新たな取り組みを進めてきたが、目に見える効果が表われるには、まだ時間がかかりそうだ。
 また、一時廃止していたカウンターのメニュー表を12月11日から復活させたことについて、今村執行役員は「今まで以上に楽に注文できるようにする中で、お客様の支持を回復していきたい」と語った。そのうえで、「その時々のお客様のニーズに合わせて、われわれも進化していく」とした。
 新社長の下で、マクドナルドはどう進化していくのか。その一端は、12月25日に予定されている新年度のメニュー発表で明らかになるかもしれない。

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