東北大未来科学技術共同研究センターと古河電池(横浜市)、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などのグループは11日、マグネシウム電池搭載の3輪電気自動車(EV)の走行実験を福島県のいわき-仙台両市間で行った。雪で走れない区間があったものの、走行距離は約100キロに上った。
EVはスクーター型で、後部に載せた電力量4キロワット時のマグネシウム電池で発電し、リチウム電池を介しモーターを動かす。
午前6時ごろ、古河電池いわき事業所を出発し、国道6号などを平均時速50~55キロで北上。午後5時15分ごろに仙台市中心部に到着した。
使用したマグネシウム電池は1月、東北大などのグループが共同開発した。燃えにくいマグネシウム合金を負極に、酸素ガスを正極に、食塩水を電解液に利用する。食塩水を使用時に入れることで、使用時まで長期保存が可能となり、災害時の非常用電源として期待できるという。
ドライバーも務めた東北大未来科学技術共同研究センターの小浜泰昭教授(流体力学)は「EVにも応用できることが実証された。実用化に向けて研究を続けたい」と話した。