マグロ漁船は怖くない! 仕事に待遇、ゆるっときりっと動画で紹介

遠洋マグロ漁船員の仕事を正しく伝えようと、一般社団法人全国漁業就業者確保育成センター(東京)は「遠洋漁師になるって夢を叶(かな)える動画っ!」を制作した。主人公は頭部がマグロの個性的なキャラクター。若者を意識した親しみやすい動画に仕上げ、将来の担い手確保につなげる。
 全12回で、3月31日から毎週水曜、動画投稿サイト「ユーチューブ」のチャンネル「japantuna」で1回ずつ公開中だ。
 漁師を目指す若者・鮪蔵(まぐぞう)が、気仙沼市のベテラン漁師・めばっちと出会い、遠洋漁船員になる過程を学ぶストーリー。プロの声優が演じる2人の軽快なやりとりや、絵柄が突然リアルになる場面も見どころ。
 2人は実在の船主や船頭、若手乗組員に話を聞き、漁船や操業への理解を深める。造船会社や漁師が通う食堂など、漁業を支える幅広い分野の関係者も登場する。
 気仙沼港を基地とする遠洋・近海漁船の所有会社でつくる宮城県北部船主協会(気仙沼市)が制作に協力した。協会によると、インターネット上には遠洋漁船について「借金返済の手段」「乗ったら終わり」など誤解を招く情報があふれている。動画で給与体系や保険制度、研修体制も解説することで、悪いイメージの払拭(ふっしょく)を図る。
 遠洋漁船員は高齢化が進み、引退する漁師の数に若手の就業が追い付いていない。協会事務局長で漁師リクルーターの吉田鶴男(たづお)さん(50)は「子どもの頃、漁師に憧れる人は多い。正しい情報を知り、成長しても遠洋漁船員を職業の選択肢にしてほしい」と話す。
 動画は初回は約4分半で、2回目以降は約8分。学校向けのDVD化や、操業中の生活を描く続編の制作も予定している。

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