首都圏の台所、東京・築地市場(中央区)で5日朝、新年恒例の初競りが行われた。近海産のクロマグロに史上最高値が出るなど、寒さを吹き飛ばすような活発な取引が6日ぶりに戻った。
午前5時前、関係者の手締めの後に競りがスタートした卸売場には、昨年並みの538匹の生マグロ類がずらりと並んだ。
このうち、ご祝儀相場が付くことで注目される天然マグロの中で、ひときわ大きかった北海道・戸井産のクロマグロ(342キロ)に仲卸業者の買いが集中。激しい競り合いの結果、1匹当たりで史上最高の3249万円の高値で競り落とされ、場内ではどよめきが起こった。
マグロ1匹当たりでは、2001年の初市で出た青森・大間産の2020万円が過去最高だったが、10年ぶりに更新した。競り落とした仲卸業者「やま幸」によると、「この日一番のマグロを何としても確保したかった」。昨年同様、東京・銀座と香港の高級すし店などに販売するという。
マグロ以外では、年初から記録的な豊漁となった富山産の天然ブリが大量入荷して安値となったほか、アジやマイワシ、マダラなども豊富だった。半面、サバとスルメイカは昨年より少なく、やや高値で取引された。