経済産業省は26日、産業構造審議会(経産相の諮問機関)の通商・貿易分科会を開き、新型コロナウイルス感染拡大を受けて供給不足に陥った医療用マスク・防護服について、国内の安定供給体制が重要だとする提言をまとめた。 事業環境の激変を視野に、国内生産に回帰すべき物資とそれ以外を整理。産業界に医療用マスクなどの国内生産回帰を促す。コロナ危機を受け、経産省が対外経済政策の基本的な考え方を公表するのは初めて。 経産省は世界的なコロナ感染拡大の影響を踏まえ、物資ごとにサプライチェーン(供給網)を見直すよう要請。医療用マスク・防護服などを「緊急物資」と指摘し、国内生産や在庫管理の拡充で非常時も確実に供給できる体制を課題に挙げた。 自動車や電子部品については、国内への生産回帰では費用がかさむため、調達の多様化や友好国との連携を進めるべきだと訴えた。