国立感染症研究所(東京)は29日、マダニを介して感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスが、患者発生報告のなかった中部地方などのマダニからも見つかったと発表した。
同ウイルスにはこれまで西日本13県で39人が感染、うち16人が死亡している。
同研究所は5月から、山口大や岐阜大などと、捕獲したマダニの遺伝子や動物の血液を分析、ウイルスの保有状況や感染歴を調べた。
その結果、ウイルスを保有するマダニが、患者発生の報告がない山梨や静岡、福井、和歌山の4県で見つかった。福岡、長野、和歌山の3県ではシカに、香川県ではイノシシに、三重、富山、岐阜、香川の4県では猟犬に、初めて感染歴がある動物が見つかった。
同研究所は、草むらなどを歩く際は肌の露出を避けマダニにかまれないよう、注意を呼びかけている。