マツダは25日、蓄電器に電気二重層キャパシターを採用した乗用車用減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」(アイ・イーループ)を開発し、2012年から市販車に搭載すると発表した。減速エネルギー回生システムは、モーターやオルタネーターを用いて減速時の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する技術。同社では、運転中の加減速のメカニズムに着目し、1回の減速で大量の電気エネルギーを回収することで、ハイブリッド車ではない一般乗用車でも高効率な減速エネルギー回生が行える同システムを開発したとのこと。
i-ELOOPでは、12-25Vの可変電圧式オルタネーター、低抵抗電気二重層キャパシター、DC / DCコンバーターを採用。減速時の運動エネルギーを効率よく電力に変換して、エアコンやオーディオなどの電装品に使用することで、頻繁に加減速がある実用走行時で約10%の燃費改善効果が見込めるという。
電気二重層キャパシターは、大量の電気を素早く充放電できるほか、繰り返し使用しても劣化が少ないという特徴を持つ蓄電器。同社によると、乗用車用の減速エネルギー回生に電気二重層キャパシターを採用したシステムは世界初だという。
ネーミングは、”Intelligent Energy LOOP”の略で、「エネルギー(Energy)を、無駄なく、賢く(Intelligent)循環(LOOP)させる」を表現している。