マツダの新世代オートマ「SKYACTIV-DRIVE」が『機械振興協会会長賞』を受賞しました。
アテンザ、CX-5などなど、最新のSKYACTIVテクノロジーに基づくモデルに採用されているこの6速ATは、リニアリティとエフィシエントに優れるオートマチックトランスミッションとして、マツダが高らかにアピールしていることでも知られています。
第12回新機械振興賞「機械振興協会会長賞」の受賞対象となったのは、『高効率とダイレクト感を両立する新型ATの開発』。開発担当者として、ドライブトレイン開発部に所属する次の5名が紹介されています。
土井 淳一 (どい じゅんいち)さん、鎌田 真也 (かまだ しんや) さん、丸末 敏久 (まるすえ としひさ) さん、坂 時存 (さか ときもり) さん、三谷 明弘 (みたに あきひろ) さん
ダイレクトなオートマチックトランスミッションといえば、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)というトレンドですが、じつはマツダのSKYACTIV-DRIVEは、トルクコンバーター式ステップATなのです。
トルクコンバーター式というとダイレクト感が希薄で、どこか滑っているといった印象もあるかもしれませんが、マツダのSKYACTIV-DRIVE は、ロックアップといってダイレクトにつながっている領域を、それまでの49%から82%へと拡大したことで、乗りやすさとダイレクト感を両立しているの がポイントということです。
ただし、従来機構のままロックアップ領域を拡大すると、パワートレイン全体の振動やロックアップクラッチの耐久性など、いくつもの問題が発生するといいます。
その課題をクリアするためにロックアップクラッチを湿式多板タイプにするなど独自のアイデアや構造を採用したのが、SKYACTIV-DRIVEの 特徴であり、そうしたオリジナリティあふれる設計と「SKYACTIV-D」とのコンビネーションによりクリーンディーゼルエンジンの普及につながってい る点も受賞のポイントということです。
(山本晋也)