という記事をリリースした。ECショッピングモールに出店している相談者が、その掲載を見た業者からのセールス電話に手を焼いており、一発で断る方法についてアイデアを募集し、集まった回答を紹介した記事だ。読者が考える対処法に対し、今回はホスピタリティの心を大切にした企業向けのマナーの研修や、セミナーなどを幅広く行っているプリサージュの代表、佐野昭子さんにプロの見解をお聞きした。
■自宅にかかってきた場合、身内を上手に使う
佐野さんによると、シチュエーションによっても断り方は様々だという。まずは自宅編だ。例えば、掃除代行サービスの場合はこのように言うと当たり障りなく断れるという。
「『義母がかなり厳しくて、いつも自分でしっかりと掃除しておりますので大丈夫です』と断りましょう」(佐野さん)
怖い第三者が居る雰囲気を醸し出し、代行サービスを利用したら怒られてしまいそうだと伝えるのもよいだろう。「友人が同じ業界の社長で、いつもそこにお願いしているので結構です」といった断りかたもあるとのこと。
証券会社など投資に関してのセールス電話の場合はこうだ。
「『主人(または義理の父、兄弟)が証券会社に勤めているんです』と言えばたいていは早々に退散してくれます」(佐野さん)
身内が同業者ではセールスも難しそうだ。あくまで夫や父など、血縁の近い男性を出すのがポイントだろう。
■個人商店への広告セールスの場合
今回断る方法を募集していた相談者のようなECサイトもそうだが、個人経営の飲食店や小売店では、電話対応一つでも忙しいときには本当に大変だ。お店もネットに広告を出すケースが増えており、その掲載に関するセールスが多いという。そのようなときの断り方はこうだ。
「『お客様の紹介で回っているので、広告は打たない主義です』といった方法はいかがでしょうか」(佐野さん)
主義と言われてしまえば、問い合わせしてきた側もあきらめるしかないだろう。他にはこのような断り方もある。
「『以前、同じようなところで広告を出しましたが、思うような結果が出ないので、もう広告を出す気はないんです』と思うような結果が得られなかったと伝えましょう」(佐野さん)
これなら、ネット広告以外のセールス電話にも使えそうな断り方だ。食い下がられても、広告を出すつもりはない、の一点張りで断るとよいそうだ。
■会社にかかってきたケースでは
企業向けには、求人誌のセールス電話なども少なくないようだ。
「『職業安定所で求人を出すと、かなりの人数が来てくれるので必要はないです』と言って断ります」(佐野さん)
また、「求人の必要がないため、採用活動はしていないので結構です」といった言い方も有効とのこと。
次に、機器や備品、例えばウォーターサーバー設置のセールスなどの場合だとこうなる。
「『取引先に同業種がありまして、そちらと既に契約させていただいておりますので結構です』と既に信頼関係のある業者がいることを伝えます」(佐野さん)
大事な取引先であるため変えることができない、と強調するとよさそうである。もう既に設置してあるというのも正統派の断り方だ。
このように、「全く必要がない」「同業種の会社や人との関わりやしがらみがあり変えられない」といったようなことを伝えると、引き下がってくれる可能性が高まるようだ。
仕事中に何度もセールス電話がかかってくると業務に支障がでたり、やり取りによっては気分を害することもあるだろう。うまい断り方のパターンをいくつか用意し、口調などをその時々で変えて対応してみてはいかがだろうか。
●専門家プロフィール:佐野 昭子
企業向け研修セミナーを行う、プリサージュ代表、ホスピタリティマイスター。「相手を慮る心」を中心に、一般企業や病院、キャビンアテンダント合格塾など、多くの分野に向けた、きめ細かな研修カリキュラムを行っている。
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)