マネーのトリビア 第3回 子どもの教育費、「1人1000万円」かかるってホント?

小さい子どもを持っている人や、これから子どもを持つ人にとって、気になるのが教育費ですよね。「1人1,000万円かかる」などといわれると、「とてもじゃないけど、そんなお金、出せないよ!」と思うかもしれません。今回は教育費を調べてみましょう。
○本当に1,000万円かかるのかどうか?
本当に1,000万円かかるのかどうか。文部科学省のデータは次のようになっています。
これをもとにコース別の金額を計算してみると、
ということになり、コースによる違いはありますが、およそ1人1,000万円というのは、どうやら本当らしいということがわかります。
「やっぱり…」と力を落とさないで。これは大学卒業までのトータルの金額です。これだけのお金が一度に必要になるわけではありません。また、幼稚園から高校までの金額には「学校外活動費」、つまり塾や習い事などの費用も含まれているので、その部分を節約すれば、平均より少ない金額ですませることも可能です。
○子どもが産まれてすぐ毎月1万円積み立てると、18年間で216万円
教育費は、子どもが産まれた時点で、何年後にいくらぐらい必要かがわかります。なので、事前に準備しやすいといえます。
教育費でいちばんお金がかかるのはなんといっても大学。中でも、初年度は入学金を含めた100万円前後のお金をまとめて払わなければならないし、受験費用もかかります。これをその時になって用意するのは大変なので、あらかじめ計画的に貯めておくようにします。
子どもが産まれたらすぐ、毎月1万円の積み立てをスタートさせると、18年間で216万円貯まるので、これで大学4年間に必要な教育費の半分程度はカバーできる計算です。
○小学校(公立)のあいだが教育費の貯めどき
大学に入る前の幼稚園から高校までの教育費は、日々の家計の中からまかなっていくのが基本。それに加えて、あまりお金のかからない小学校(公立)のあいだが教育費の貯めどき。この時期を逃すとあとが大変です。幼稚園、小学校のときに習い事をたくさんさせたり、おもちゃや服などをあれこれ買い与えたりしてお金を使いすぎると、その先困ることになるので要注意です。
教育費の負担は決して軽くはないものの、計画的に準備すれば、恐れることはないといえるでしょう。
○執筆者プロフィール : 馬養　雅子(まがい まさこ)
ファイナンシャルプランナー（CFP認定者）、一級ファイナンシャルプランニング技能士。金融商品や資産運用などに関する記事を新聞・雑誌等に多数執筆しているほか、マネーに関する講演や個人向けコンサルティングを行っている。「図解　初めての人の株入門」（西東社）、「キチンとわかる外国為替と外貨取引」（TAC出版）など著書多数。