仙台圏でことし1~6月に供給された新築マンションの平均価格は3471万5000円で、前年同期に比べ324万9000円(10.3%)上昇したことが、広告代理店DGコミュニケーションズ仙台支社のまとめで分かった。東日本大震災の復興需要に伴う資材高騰に加え、地価が高い中心部での分譲が相次いだことが要因となった。
仙台圏の平均価格は、震災前の2010年は前年比230万5000円減の2956万9000円だったが、11年から上昇に転じた。
平均坪単価も19万8000円増の152万5000円となり、バブル景気直後の1992年(151万3000円)を上回った。
市内の供給状況は表の通り。供給数は前年同期比123戸増の606戸で、平均価格が減少したのは太白区と周辺地域にとどまった。中心部で高額物件が目立ったこともあり、青葉区は4000万円を超えた。
物件の間取りは4LDKが6.3ポイント減の26.4%で、3LDKが10.5ポイント増の66.8%と半数以上を占めた。平均面積は3.16平方メートル減の75.21平方メートルだった。
価格上昇の背景には、沿岸被災地からの移転需要と中心部人気の高まりもある。DG社が7月に「新築マンションで住みたいエリア」を市民1000人に複数回答で聞いたところ、仙台駅東口が26.5%でトップ。青葉区の上杉21.7%、一番町17.1%と続いた。
物件の品薄感もあり、販売開始から1カ月以内の初月契約率は前年同期比21.3ポイント増の76.2%に上がった。DG社の吉野敦仙台支社長は「販売が予定されているのは中心部の高額物件が多く、下半期はさらなる上昇が予想される」と話す。