仙台市が実施した市内のマンション管理組合へのアンケートによると、マンションの維持・管理のため不可欠な長期修繕計画を「作成している」と答えた組合は85・8%で、全国平均(90・9%)をやや下回った。
国のガイドラインは大規模な計画修繕を含め、25年程度の計画作成を管理組合に求める。
建築年別の作成率はグラフの通り。1979年以前は63・2%で、80~89年は76・8%、90~99年は90・4%だった。築年数が長くなるほど、長期修繕計画の作成割合が低い。
市住宅政策課によると、築25年が過ぎたマンションの組合には、短期計画を繰り返し作成する傾向があるという。組合の資金や担い手の不足が影響しているとみられる。
災害時の緊急連絡先や要支援者を把握するため作成する組合名簿、居住者名簿が「ある」と答えたのは56・6%と、全国平均(77・3%)を大きく下回った。特に居住者名簿は「ない」と回答した組合が39・0%に上り、全国平均(7・8%)の5倍と高かった。
同課の担当者は「個人情報保護の壁もあるが、東日本大震災の教訓として共助を啓発している立場としては残念な結果」と語った。
調査は、2022年度施行の改正マンション管理適正化法に合わせた計画策定のため、市が今年1~2月に郵送で実施し、562組合(回収率40・4%)が回答した。市は今月14日あった有識者の計画検討委員会で調査結果を公表した。
市は国が6月に定める基本方針に基づき、来年3月までに計画を策定する。計画には適正管理のための独自の目標値、マンション管理計画を認定する基準を盛り込む。