仙台市は、分譲マンションの耐震性や自主防災活動を四つの星の数で評価する全国初の「杜の都 防災力向上マンション認定制度」を4月から始める。管理組合向けに防災マニュアル作成の手引きを用意。東日本大震災で課題が浮き彫りになった「自助」「共助」によるマンションの災害対応力向上を促す。
「建物性能」と「防災活動」をそれぞれ2段階で評価する。申請は無料。結果は市のホームページに掲載し、マンションの出入り口などに掲示するマークも配布。4月以降、制度に関する説明会を開く。
建物性能は(1)免震性や耐震性などの構造(2)窓やベランダの落下防止措置(3)エレベーター対策-といった項目を設定。防災活動は、防災マニュアルの作成や年1回以上の訓練実施、食料備蓄の有無などを評価する。
防災活動だけでも評価が受けられるようにするなど、既存マンションの対応力向上に重点を置いた。大阪市などで同様の制度があるが、防災活動だけで認定を得られる制度は全国初という。
仙台市内約1400棟の分譲マンションのうち、震災で100棟以上が「全壊」の罹災(りさい)判定を受けた。ライフラインが止まり、水や食料の調達・運搬などで高層建築特有の課題が発生。一方、居住者同士の協力で不便な生活環境を乗り切った事例もあった。
手引きは、成功例と失敗例に触れながら、組織設置や現状把握の仕方、被災時の活動想定など防災マニュアル作成に向けた具体的手順を紹介している。