マンホールカードが人気 ご当地図柄、過熱で売買も

地域色豊かなマンホールのふたの図柄を紹介する「マンホールカード」が、人気を集めている。四十一都道府県の約百自治体が無料で配り、各地を訪ねて回るコレクターもいる。ただ、インターネットのオークションで高額取引され、関係者からは困惑の声も上がっている。

カードは縦八・八センチ、横六・三センチの紙製。全国統一の様式で、表にマンホールのふたの写真、裏にデザインの由来などを印刷している。国土交通省や自治体、民間企業でつくる下水道事業の広報団体が「地域のPRにつながるのでは」と発案した。

昨年四月、自治体の役所や下水道関連施設、観光施設などで配布を開始。カードを作る自治体は続々と増え、今年四月には四十七都道府県に広がる見通し。

ふたの図柄は、水戸市は市のゆるキャラ、静岡県富士市は富士山、高松市は地元が舞台となった平家物語の一場面などと多彩だ。

観光名所の時計台を図柄にする札幌市は既に、市下水道科学館で九千枚以上を配った。校外学習で訪れる小学生にも好評という。

福岡市は地元プロ野球チームのマスコットを描いたふたなど二種類のカードを発行。担当者は「関東から来たコレクターもいれば、野球ファンや観光客が持ち帰ることもある」と話す。

自治体側は配布場所に足を運んだ人だけに一人一枚手渡すのが原則だ。収集の難しさからか、ネットオークションで一枚千〜二千円台で売買され、一部コレクターが過熱している。国交省の担当者は「各地に出掛け歴史や文化に触れてもらうことも狙いなので、ぜひ自力で集めてほしい」と呼び掛けている。

◆前橋、館林、富岡 県内3市も配布

県内でも前橋、館林、富岡の3市が昨年12月から、マンホールカードを配り始めた。配布場所を訪れたのは1カ月間で、前橋は約600人、館林は約800人、富岡は約300人と人気の高さがうかがえる。

前橋市によると、内訳は男性が7割を占め、中高年が多い。2割が県外在住で、北海道、京都府、山口県など13都道府県に及ぶ。カードをもらうだけでなく、実物のマンホールを撮影する人もいる。一方で、市担当者は「ネットオークションで前橋のカードや県内3市のセットを見たことがある」と困惑気味だ。

デザインは前橋は市の花のバラ、館林は観光マスコットキャラクター「ぽんちゃん」、富岡は世界文化遺産「富岡製糸場」。 (川田篤志)

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